2022.02.20 夜 精進料理は現代グルメへのアンチテーゼ?@精進料理 醍醐 日本料理 六本木・麻布・広尾 10000円〜29999円 ★★★★☆ ベジタリアンやビーガンなんて言葉が馴染み深くなったのは最近のこと。 だが、日本ではずっとずっと前から、この考え方の料理ジャンルが存在する。それが「精進料理」、その文化の始まりは鎌倉時代にまで遡る。仏教の戒めに従い、粗食を是とし、動物性食品や五葷と呼ばれる刺激の強い野菜の使用も制限されます。まさに現代版のベジタリアン向け料理であり、ビーガン料理と言っていいでしょう。ちなみに、精進料理は懐石料理の原点とも言われております。 東京の精進料理といえばここ、『醍醐』だ。1950年創業、ミシュラン2つ星を獲得する名店でございます。場所は愛宕山の麓、愛宕グリーンヒルズというタワマンの中にありますが、見事な数寄屋造りがそれを忘れさせます。日本庭園やそこから望む東京タワーなど、非日常の優雅な空間がここに広がります。 まず驚くのは、野菜ばかりでこれだけの料理が作れるのかということ。日本人が培ってきた技術の高さに改めて関心してしまいます。野菜ばかりだからといって、味が全て優しいわけではない。素材自体が持つ五味はもちろんだが、油や塩や胡麻などを上手に使い、きっちり満足感の強い食事に仕上げております。 また、もどき料理と呼ばれる、肉や魚介に見立てた料理も登場。精進あわびなどは木の子でできておりました。どんな高級食材ばかり使った料理よりも贅沢に感じるのはミトミえもんだけでしょうか。これは現在のグルメへのアンチテーゼでもあるかもしれない。 料理のラインナップはこちら。 「前菜」百合根饅頭 「小附」筍、独活、木の芽和え 「御吸物」うぐいす椀 「お凌ぎ」手打ち蕎麦 「八寸」葉ノ花山葵和え、菱豆腐、長芋新引き揚げ、愛宕時雨、精進あわび、金柑 「煮物」若竹煮 「揚物」裏白椎茸 「強肴」蕨煮浸し 「箸洗」つくね団子、竹紙昆布 「御飯」なめこ雑炊、山ごぼう「香の物」賽の目大根、梅肉 「水の物」果物 「甘味」汁粉 — 精進料理 醍醐03-3431-0811東京都港区愛宕2-3-1 201https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130704/13001484/