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2016.12.03 夜

「鮓」と「鮨」の違いをご存知ですか?@徳山鮓

日本料理

湖北

10000円〜29999円

★★★★★

「鮓」と「鮨」の違いをご存知ですか?今回はお勉強から始めてみましょう。両方とも「すし」と読みますが、いったいどんな違いがあるのでしょうか。もともと「すし」とは保存食のために発酵させたもののこと。いわゆる熟鮓(なれずし)のことですね。その延長で、鮒鮓や鯖鮓にもこの漢字をあてます。鮨はそれ以外の「すし」を指すといってほぼ差し支えがないでしょう。

さて、本日訪ねたのは滋賀県にある『徳山鮓』。琵琶湖の北側に位置する余呉湖を望むオーベルジュ。滋賀県の名産である鮒鮓をはじめとして日本随一の発酵料理として有名だ。この滋賀県の郷土料理に加え、余呉周辺の豊かな自然を堪能しようと日本各地から食通が集まってきます。

八寸はこの縮図だ。鼈の煮こごりやモロコはもちろん余呉湖産。ビワマスの松風焼きの上には鮒鮓の飯のソースが乗せられる。地元の食材と発酵料理が挨拶代わりのようだ。

大自然からのプレゼントは続く。山椒の風味で香り付けした餡とともに余呉産の鰻の登場。香茸の粉末で香り付けした地元の山でとれた鹿肉のローストと続いていきます。

この2つのベクトルは止まらない。鯖の熟鮓にカチョカヴァロチーズとトマトソースを添えた発酵✖️発酵のスペシャリテが続く。これ以上ないほど日本酒とのマッチングが素晴らしい。そうか、日本酒も発酵したお酒。発酵の三乗状態です。伝統的な料理にもかかわらずモダンな印象は伝統に革新をもたらしてきた証拠です。

お酒との相性といえば、猪の生ハム、煮こごり、バラ肉などのつまみが並ぶ。極めつけは熊、猪、鹿のテリーヌまで。ジビエ三人衆のテリーヌなんてバチあたらないですかね。日本酒やらワインやらがバンバン空になっていくのに比例して、もちろん酒が回っていきます。

だが、しかし!!一気に目を覚めさせる鍋の登場。徳山鮓の名物の1つ、熊の鍋の登場です!しかもこの器は余呉湖の形になっているんです。クライマックスにこれ以上ふさわしい料理と器があるだろうか。

まずはビジュアルをみてください。この白と赤のコントラストが美しすぎます。翌日厨房にある熊を拝見させていただきましたがこれが真っ白なんですよね。もはや白熊のようでした。

白い部分は脂なのだが、融点が低くあっという間に溶けていきます。この脂から溢れ出す旨味が上品、いや、もうエロいといったほうがいいかもしれません。

シンプルにネギといただくだけだが、後半は熊の脂が出汁に溶けてさらなる旨味が増していきます。雑炊が最高なことは説明の必要がないですね。

徳山鮓の夜は長い。説明したようにオーベルジュなので、倒れるまでお酒を飲めますよ!鯖の熟鮓やジビエの燻製達とともに日本の未来について語り尽くしました。(嘘)

朝ごはんも余呉湖を堪能できます。二日酔いがちょっときつかったことは秘密です。

徳山鮓
0749-86-4045
滋賀県長浜市余呉町川並1408
https://tabelog.com/shiga/A2504/A250403/25002104/

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