2019.03.08 夜 想像を絶する手間暇が生み出す、絶品中華料理。@中国菜 火ノ鳥 中華料理 大阪市 10000円〜29999円 ★★★★★ 大阪トップクラスの予約困難な中華料理店『中国菜 火ノ鳥』。四大料理とか八大料理と呼ばれるように、ただ中華料理といっても地域にとって特徴は様々。予約困難な中華料理店のシェフの井上氏が提供するのは北京料理。宮廷料理とも呼ばれる料理の品の良さ、華やかさを完全に再現しております。いわゆる油を多用した中華料理のような食後感ではなく、日本料理のような繊細性を持つのも特徴です。 まずは八寸から。発酵酢締めした「鯵」、紹興酒に漬けた「蛍烏賊」、スパイスで和えた「焼きそら豆」、干した「猪」など中華料理の様々な技法を紹介するかのようなプレゼンテーションから始まります。同時にお酒との相性も抜群で、おつまみの視点としても最高です。特にのれそれの辣油漬けとか、最高でした。 続くのは点心。甘鯛に唐墨、豚に安納芋、こんな餡の点心食べたことありません!特にこの甘鯛の鱗を使い海老のすり身と合わせた一品には驚きます。鱗焼きの食感を点心に持ち込んだのはシェフが初めてなのでは? ここまででも十分な満足感があるが、一緒に提供された自家製の辣油がまた絶品です。これだけ販売してくれないかな?笑 蒸しスープの出汁の味わいは滋味に富む。金華ハムの旨味と塩気を残しつつ、すっきりした味わいで素材の味を引き立てます。河豚と魚の浮き袋の味をぼかさないのは流石。これこそ北京料理の繊細性というところでしょう。河豚は煮込み料理では全く違う表情を引き出し、辣油をベースにパクチーの風味と合わせてくれました。 このあたりから料理のテンションが上がってまいります。ハンマーヘッドシャークのフカヒレを北京流のパイタンスープに合わせます。 金華ハムや干し貝の旨味もここに加わります。野性味すら感じるほど濃厚な旨味がフカヒレを包み込みます。 そして、火ノ鳥の方向性を象徴するのがスペシャリテである「百花鶏」。鶏の皮をそのままにして、雛鳥のひき肉と海老のすり身などを詰め込み蒸し焼きした料理。見た目のインパクトも然りですが、その手間暇は想像を絶します。 古典料理へのリスペクトに、食に対する愛情、我々へのホスピタリティーなどがこの料理を作り出すのでしょう。鶏皮の旨味が外側から、海老などの詰め物の旨味が内側から、全方位で旨味が襲いかかってまいります。 もちろんシェフの不断の努力によるアレンジがあってのことだが、古典に求めた料理はもはや新しい料理に。シェフが重ねている努力と同様、我々も予約のために努力せねばいけませんね。ご馳走様でした! その他の料理メモ。 「和牛ハラミ 北京風の味噌炒め」 「猪の腸詰の煮炊き麺」 「バニラ風味の杏仁豆腐」 — 中国菜 火ノ鳥06-6202-1717大阪府大阪市中央区伏見町2-4-9https://tabelog.com/osaka/A2701/A270102/27085978/