2019.09.07 夜 日本料理出身だからこそ!大将の鶏料理の「遊び」が美味しい。@鳥匠 いし井 焼鳥・焼きとん 大阪市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 大阪の福島エリアにある焼鳥店『鳥匠いし井』。路地裏にありながら確かな存在感を示す焼鳥店で、予約も簡単にはとれない人気店。今は東京に移転した神戸の「紀茂登」など日本料理で修行した経験を持つ。このエッセンスは料理の部分に反映され、焼鳥を超えた鳥料理を楽しむことができます。創作性の高い料理が並ぶが、全て「鶏料理」の範囲で遊んでいるのが好感度が高い。 鳥料理で遊ぶ!!日本料理でも定番である焼胡麻豆腐がスターターを務める。隣にはスモークチキンと鶏ガラスープで作ったマッシュポテトが並べられます。鳥料理の範疇の中で創作性を高めているのが面白いですよね。 その視点だと「最中」と「ハンバーガー」の存在がユニーク。最中は、やはり焼鳥屋らしくレバーパテが中身を担う。隠し味には、炊いたレーズンと同じ大阪の名店であるカハラのコーヒーオイルを使用。料理の創作性を伝えると同時に、大阪の料理人達に愛されていることも伝わってきます。 そして、このハンバーガー。日本料理が季節を大切にするのと同じように、秋の風物詩を登場させる。月見バーガーの登場です!デミグラスの風味を纏わせたハンバーガーが美味。月見の部分は鶉の卵が担当し、バンズは炭で火を入れるなど、焼鳥店ならではのハンバーガーに仕上げているのが素晴らしい。 食べ応え十分な串達! メインとなる焼鳥の串達は食べ応え十分なポーションで登場。それに比例してか、大きさが弾力の強さや旨味を作っていきます。 個人的なお気に入りは、塩気が絶妙な「カッパ(やげん軟骨)」と「背肝」。 大きさが圧倒的な旨味を作り上げます。火入れなども絶妙で、「鶉の卵」などは半熟な火入れに技術の高さを感じます。 その他の串達。 「抱身」皮の脂と風味がアクセントに! 「せせり」弾力の強さ! 「ねぎま」 「ずり」 「ふりそで」 「つくね」 「はつもと」 「皮」 日本料理の修行経験は、締めの料理で真骨頂を見せます。親子丼を飲み物と表現することはままありますが、いし井では「そぼろ丼」が飲み物になっております。ジューシーなそぼろの味わいとふんわりした卵が一瞬で胃袋に収まっていきます。 売り切れ必至の大人気メニューである「チキンラーメン」も、出汁はもちろん鶏出汁が効いており、ラーメン店並の一品を完成させております。というより、焼鳥屋さんだからこそのラーメンと言っていいでしょう。ご馳走様でした。 — 鳥匠 いし井https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/27090089/