2025.07.03 昼 ウニの聖地で、赤白勝負。@漁師の店 中村屋 居酒屋・定食 小樽・ニセコ・積丹 3000円〜4999円 ★★★★☆ 積丹半島——それは「ウニの聖地」として、海鮮好きの血を騒がせる場所。この小さな港町には、6月から8月のたった3ヶ月に、まるで1年分の来客が押し寄せる。そんな激戦区の中心にして、朝から夕方まで行列が絶えない名店がある。その名も『漁師の店 中村屋』。名前の通り、海とともに生きる人々が築いた本物の味がここにはある。 看板メニューは「赤白ウニ丼」。赤は馬糞ウニ、白はムラサキウニ。訪問日は、北方四島の馬糞ウニと、積丹産ムラサキウニの組み合わせ。ウニそのものが料理というこの丼、勝敗は明確だった。ミョウバン入りの北方産はどうしてもえぐみが残り、対して塩水処理された地元・積丹のウニは、舌の上でふわりと溶ける極上のクリーミーさ。積丹の圧勝。まさに地の利。 特別にお願いしていただいた「ウニの食べ比べ」。余市、小樽、根室、北方四島、そして積丹。紫ウニと馬糞ウニの個性が立ち、地域ごとの味の違いが明確に現れる。根室の馬糞は濃厚、小樽の紫はまろやか、北方四島のものだけミョウバン入りでやや苦味。一方、積丹産の紫ウニは別格。優しい甘みが、舌に脳にと染み込んでいく。 他の刺身も一級品。タコ、ホタテ、甘海老がやけに美味いと思ったら、やはり地物。鮮度がものをいう素材たちは、この海の町の豊かさを教えてくれる。そして忘れられないのが、蟹の味噌汁。傷物の蟹を買い上げて提供しているというが、味には何のネガティブもない。蟹の旨味がたっぷりと溶け出し、最後の一滴まで飲み干さずにはいられない。 積丹の海が育てた食材を中心に、奇をてらわず真正面から味わわせてくれる場所。それが『中村屋』の魅力だ。観光地でありながら、味と価格のバランスも素晴らしい。ここに訪れること自体が、ひとつの食の学びとなるだろう。ご馳走様でした。 — 漁師の店 中村屋0135-45-6500北海道積丹郡積丹町日司町34-1https://tabelog.com/hokkaido/A0106/A010602/1005212/