2025.06.25 昼 ポップな見た目に、真面目な玄米うどん。@絵空事 うどん 原宿・表参道・青山 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 神宮前の路地裏、原宿のポップな空気感にすっと馴染む外観の『絵空事』。絵画のような色彩に覆われた外装は、まるでギャラリーのようだが、提供されるのは立ち食いスタイルのうどんというギャップの妙。非日常的なビジュアルとは裏腹に、実際の料理は非常に真面目で実直。立ち食いの枠を超えたアプローチが垣間見える。 店の軸となるのは「玄米うどん」。小麦を使わず、玄米粉で打った麺はグルテンフリー。もちもち系とは異なる歯切れの良さと、すっきりとした後味が印象的だ。米油で揚げた天ぷらなど、素材の選び方に一貫したコンセプトを感じる。食べていて身体にやさしい印象を受ける一方で、その個性がダイレクトに“おいしさ”として響くかは、好みが分かれるかもしれない。 看板の「肉うどん」は、たっぷりの甘辛く煮た牛肉が主役。その味付けは力強く、うどんの軽やかさとのコントラストは明快。「とり天」はカリッと香ばしく、中はふっくらとジューシー。満足感のある揚げ物だが、味の輪郭はやや濃く、食べ進めるうちに主張の強さが印象に残る。 全体として、素材や技法に工夫を重ねた立ち食いうどんの新しい形を提示しているが、その構成が持つ説得力や一体感には今後の伸びしろも感じられる。ただ、その試みが“身体にいい”という満足に加え、“また食べたい”という欲求につながるかどうか。そのあたりの微妙なバランスに、まだ過渡期的な面があるのかもしれない。 それでもこの立地、この価格、この世界観で、これだけの一杯を出している点は十分に評価に値する。気取らずふらりと寄れる“うどん版セレクトショップ”のような場所。軽やかで、真面目で、少し風変わり。そんなうどん屋があってもいい。ご馳走様でした。 — 絵空事東京都渋谷区神宮前3-27-3https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130601/13286007/