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2025.06.11 夜

全皿、主役。@無垢

イタリアン・ピザ

六本木・麻布・広尾

30000円〜49999円

★★★★☆

西麻布の一角に構える『無垢』は、長谷川稔グループの中でも異色の存在。イタリアンとフレンチ、それぞれの出身シェフふたりがタッグを組み、型にはまらない自由な料理世界を展開している。特筆すべきはその構成。序盤からメイン級の皿が続き、炭水化物さえも前半で顔を出すという、最初から最後までアクセル全開なスタイルがこの店の真骨頂だ。

例えば、コース冒頭の「イノシン酸×脂」。旨味の凝縮したマグロとキャビアを、ブリオッシュと海藻バターで受け止める。大トロの濃厚な脂にじゃばらとブラックライムがキレを添え、寿司を想起させる構成にして、まさに主役級の存在感を放つ。

続く「さくら」は、カッペリーニにサクラマスをのせて、大葉とジュノベーゼで春らしい香りを演出。前菜で馴染みのあるカッペリーニではあるが、長谷川稔グループにかかると主役に見えるから不思議だ。笑

「アツアツ」は、マルゲリータを分解再構築したような一品。ガレットの香ばしさに、トマトとモッツァレラの甘みと酸味が乗る。

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そして「旨味」。鴨むね肉を炭火で1時間。かんずりと味噌で厚みのある味にまとめ、付け合わせの椎茸の肉詰めも主役級。もはやメインディッシュそのもの。

「のどごし」は、よもぎを練り込んだ米粉麺。もちもちとした食感に、トマトの酸味と雲丹のコクが重なり、ジャンルに収まらない自由な味わい。

「めりめろ」は、春の貝(北寄貝、さざえ、ミル貝)をマヨネーズ的なアンチョビソースでまとめ、白筍フリットが香ばしく跳ねる。名前の通りのごちゃまぜ料理。

「おこわ」は、金目鯛と古代米を蒸して仕上げた一品。そこに熱々の貝スープをかけて、じんわりと旨味が染み渡る。

ここでやっとひと息。「がリンゴ?」は、りんごとガリのシャーベットを合わせた口直し。アップルビネガーの酸が効いていて、頭も舌も一気にリセットされる。

後半の主役、「万葉牛×パイ包み」。ねっとりと旨味が広がるネックの肉、赤ワインの重厚なソース、香ばしいパイのコントラスト。完全に締めの一皿かと思いきや、ここから怒涛の炭水化物ゾーンが続く。

「Pasta Pasta Pastaとパスタ そしてぱすた」」では、ほおずき、

トマト、

ホタルイカ、

ミートソース、

トリュフという、いずれも主役級の素材が一皿に集結。

甘味・酸味・旨味・香り、それぞれの要素が喧嘩することなく同居しており、名前の通り“パスタ尽くし”の華やかさと情報量に、胃も脳もフル回転。ここにきてこの密度。まさに終盤の加速感を象徴する一皿。

「マンゴー飴」は、フルーツの甘みと飴のパリパリ感が心地よく締めてくれる。

総じて、『無垢』はひと皿ごとの抑揚ではなく、全体を通して突っ走るスタイルを貫く一軒。静と動のメリハリよりも、全力で飛ばしきる快感。そのテンポの速さと密度の高さに、思わず圧倒されながらも、どこかクセになってしまう。最初から最後まで全開で味覚を攻めてくるスタイル、これもまた1つの個性だ。ご馳走様でした。

無垢
050-5594-8689
東京都港区西麻布4-2-2 バルビゾン92 3F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13302234/

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