2025.01.04 夜 ひれ酒と冬のご馳走。@食堂 おがわ 日本料理 京都市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 6年ぶりの訪問となった『食堂おがわ』。 名前の通り、食堂らしい気軽な雰囲気で迎えてくれるのに、そのクオリティと価格には改めて驚かされます。ただし、予約のハードルの高さは相変わらず。敷居の低さと高難易度のバランスが、ここならではの魅力かもしれません。黒板に書かれたメニューからアラカルトもしくはコース仕立てで楽しむのが定番スタイル。この季節ならではの冬の食材が満載で、どれもお酒が進む酒飲み仕様の料理ばかり。特に、ひれ酒との相性は抜群なので、ぜひ試してほしいところです。 いきなり脇役の紹介になるが、同店で堪能してほしいのはオリジナルの柚子胡椒。名物の一つである「鳥からあげ」に、力強い風味とピリリとした辛味が絶妙にマッチ。外はカリッと香ばしく、中はジューシーな鶏の最高の調味料として活躍します。 今回は「河豚刺し」にも登場。般的にはもみじおろしが添えられるところを、この店では柚子胡椒を合わせるという独自のスタイル。その爽やかな香りとピリ辛が、河豚の繊細な旨味をぐっと引き立てます。 今回のベストディッシュは「雲子の春巻き」。熱々の春巻きを口に運ぶと、中から濃厚な雲子がトロリと溢れ出します。その味わいは、まるで旨味が液体化したようなインパクト。皮のパリッとした食感と中身のクリーミーなコントラストが心地よく、雲子特有のコクが胡椒のアクセントでより一層引き立っています。冬の味覚の醍醐味を余すところなく味わえる逸品です。 締め的に位置付けには3つも登場し、そのどれも秀逸。 「白子のにゅうめん」白子の濃厚な旨味が熱々の出汁に溶け込み、まるでカルボナーラのように柔らかいにゅうめんをコーティングします。洋風の食材に例えるなら、チーズやクリームのような役割を果たします。締めの段になってもお酒の進む一品だ。笑 「鯖寿司」京都らしい「鯖寿司」は、しっかり脂の乗った鯖と程よい酢飯の酸味が絶妙なバランスを作り出し、シンプルながら完成度の高さを感じさせます。しっとりとした食感と豊かな風味は、締めとしてこれ以上ないほどの満足感を与えてくれます。 「いわし飯」ふっくらと炊き上げられたご飯と鰯の旨味が見事に絡み合い、香ばしさとほのかな甘みが絶妙に広がります。 その他のラインナップと感想。 「なまこ酢」:ザクザクとした食感が心地よく、強烈な存在感をなまこが示します。 「白バイ貝茶わんむし」:胡椒の効きが抜群。濃厚な旨味が詰まった茶碗蒸し。 「唐墨餅」:唐墨の塩気と餅の柔らかさが絶妙なハーモニー。 「ふろふきかぶら」:柚子の香りが広がる冬の温かい一品。 「紋甲いか」素材の良さが際立つ一品。 「金柑とリンゴのジェラート」:爽やかな甘さと酸味で締めくくる、後味さっぱりのデザート。 ご馳走様でした。 — 食堂 おがわ京都府京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町204 1Fhttps://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26013892/