2024.04.07 夜 シェフの道草が作った、スパイス料理。@みち草バザール 世界料理(アジア) 札幌市 5000円〜9999円 ★★★★☆ 円山公園駅から徒歩15分。閑静な住宅街にある『みち草バザール』を訪ねます。 北海道の名物といえばスープカレーが挙げられるが、その一段上をいくようなスパイス料理を提供しております。 屋号には市場(=バザール)のように人々が集まる場所を目指すとか、ふらっと道草するようにお客様に来てもらいたいなんて想いが込められているそう。また、シェフ自身の経歴もユニークで、人生の道草こそがコース料理を設計する引き出しになっているようです。 北海道の酪農学園大学在学中に札幌のスープカレーに魅了されたこと、故郷である千葉県のカレーレストランの「シバ」で働いたこと、東京のフレンチの名店で修行したこと、スパイスの本場でもあるインドやネパールを旅したこと。そのエッセンスが料理の中に感じられるのだから面白い。 さっそくコース料理をいただいてまいりましょう。 「本日の前菜盛り合わせ」色とりどりの前菜たち。小松菜と紫キャベツのアチャール、自家製なめ茸、帆立と葉わさび、槍烏賊のデュカ和え、蛸のマサラオイルで構成されます。素材リスペクトなアプローチですが、そこに重ねるスパイスのニュアンスもきっちり楽しませます。個人的にはクミンの効いた小松菜と、マサラオイルでコーティングした蛸が大好物。 「アブラボウズと舞茸の春巻き」その名の通り脂が乗っている魚ですが、上質な脂と香のよい油が握手。舞茸も油を吸いやすい食材ですが、これだけの油の掛け算もネガティブに感じさせないのはお見事。ネパールの山椒塩の役割も重要。 「豚肉と山菜の水餃子」 「オジサン65」クセがなく食べやすいスズキ目に属するオジサン。ドライのスパイスではなく、ウェッティーなスパイスでコーティングします。辛さよりも香りを優先したようなスパイス使いで、素材そのものを邪魔しないものになっております。 「仔羊肩ロース ミントチャツネ」タンドーリ窯の炭火焼き。まるでフレンチのような素敵すぎるアウトプットで登場しますが、その味わいはしっかりスパイス料理に。窯の影響で、炭の直火、遠赤外線、セラミックの輻射熱などが相まって柔らかくジューシーなアウトプットに。 「クルチャ」チーズと唐墨のクルチャ。これ美味すぎる、、、 「本日のカレー三種(和牛、鶏、仔羊)」それぞれに個性があって面白い。特に無水で作ったのかな?旨味が集約されたような鶏のカレーが美味。 北海道に旅行に来た際は、ぜひバザールに道草してみて。いや、道草ではなく目的地として訪問すべきスパイス料理のお店でございました。ご馳走様です。 — みち草バザール090-6265-7029北海道札幌市中央区南六条西22-3-56https://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010105/1063629/