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2024.03.08 夜

個性的な料理も、しっかり和に着地。@ひがしやま 司

日本料理

京都市

30000円〜49999円

★★★★☆

2021年創業、京都の東山にオープンした『ひがしやま司』へ。注目の新店だ。

京都の名店「祇園丸山」や「祇園 さゝ木」で長く腕を磨いた本格派だが、師匠たちの模倣ではなく、料理に確かなオリジナリティーを込める。特に発酵技術やスパイスを駆使した料理が話題だが、奇を衒った料理とはならず、最後は和に着地させていくのはお見事。ユニークなのは料理ばかりでなく、お客様との距離感の作り方にも工夫がある。このおしぼりのデザインなど、見てみてください。すぐにカウンターの中全体が笑いに包まれていきます。笑

さて、料理に目を移してまいりましょう。

「車海老と季節の野菜の胡麻和え」
煎りたて擦りたての胡麻で和えた、菜の花と蕗の薹とスナップエンドウから開始。そこ牛乳と白麹のソースを混ぜてチーズのようなニュアンスを演出。和の世界観の中に洋のニュアンスを連れ込むことに成功しております。

「蛤のシャリ粥と蕗」
ただの粥ではなく酢飯を昆布出汁でのばした粥が登場。昆布のグルタミン酸をともなった粥に、さらに蛤の旨味が加わります。蕗も良いアクセント。

「海鼠腸と卵黄の和え麺」
完全にパスタなビジュアル。やり尽くされた雲丹のパスタかと思いきや、全く違う料理になっている。麺には蓮根麺が使われ、雲丹のように見えるソースも卵黄と海鼠腸が務める。さらに青海苔の天かすをふりかけるなど、和へのブリッジを忘れない。そして、美味い。

「蕗の薹と独活の白味噌椀」
京都らしい白味噌仕立てのお椀。30分もかけて揚げたという独活と蕗の薹の香をまとった白味噌が美味すぎる。。。

「鯛のお造り」
最高級の淡路の鯛も、やはりユニークなビジュアルで登場。うるいとおぼろ昆布とで楽しまめます。

「鰻の春巻き」
生春巻きを使うのは東南アジア的だし、甜麺醤とで食べるのは北京ダックを想起させます。さらに、ここに金柑も包まれるが、山椒も同じ柑橘類だと捉えれば説得力もある。ライスペーパーのもっちり感が、鰻をおかずにご飯を食べるような感覚もあり、これまたユニークな一品を完成させております。

「猪ロース肉のハンバーグ」
味付けは塩胡椒のみだが、驚くほどに旨味の塊。しかも、ハンバーグというメニューの選択がいいですよね。嫌いな人は絶対いないですから。笑 それでも敢えてジビエを選択し、これを生かしきっているのが素晴らしい。

「牡蠣とホワイトアスパラと湯葉蒸し」 
新海苔の餡とともに。

ここから怒涛の食事タイム。定番の「桜海老」を使ったご飯に始まり、

スパイスを駆使した「麻婆丼」と続き、

自家製XO醬と楽しむ「フォー」、

最後はこのXO醬を合わせた「TKG」と続きます。

ベクトルの違いが面白く、満腹中枢のバグを作ります。ずっと食べたい、、、笑

デザートは「焼きわらび餅」。きな粉の中にカルダモンを入れるなど、最後の一手までユニークネスを忘れません。

名だたる名店が軒を連ねる京都にあって、確かなオリジナリティーで存在感を際立たせておりました。ご馳走様です。

ひがしやま 司
075-771-4696
京都府京都市東山区西町127 三条白川橋ビル 2F
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26036658/

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