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2024.02.21 夜

唯一無二の”変タイ”寿司、虎ノ門へ。@鮨 すがひさ

寿司

赤坂・永田町・溜池

10000円〜29999円

★★★★☆

料理人にとって変態という言葉は褒め言葉だ。

常人には考えられないほどの試行錯誤の先に、我々が驚くほどのアウトプットにたどり着きます。そんな変態な料理人をご紹介してまいりましょう。まだ開業したばかりの虎ノ門ヒルズのステーションタワーの4階にできた鮨店『鮨すがひさ』のご主人、菅正博氏でございます。

そのキャリアが面白く、有名企業であるリクルートを脱サラし、タイ料理店での修行を経て、寿司は学校に少々通っただけ。独立時は江戸前の鮨を提供したが、遊びで提供したタイ料理と寿司を融合させたアウトプットが話題になり、いつの間にか強いアイデンティティになったのです。

そう、変態ならぬ”変タイ”寿司を提供しているのです。笑

ビジュアルはあくまで寿司であり、寿司を要素を因数分解することで、タイを入れ込んでいくというスタイル。例えば、醤油を魚醤のナンプラーにしたり、シャリの代わりにライスペーパーを用いてみたり。また、寿司の定番のネタも、いつの間にかタイ色にコーティングしていきます。海老をトムヤンクンにしてみたり、穴子をバナナの葉で巻いてみたり。寿司から着想するパターンもタイ料理から着想するパターンもあるが、いずれにしても寿司へのブリッジを必ず用意しているのが見事。

それでは、”変タイ”寿司のラインナップをご覧ください。

まずは、つまみ。

「牡蠣」1つはココナッツミルクとキウイ、1つはミントとパクチー。ワサビかと思った。笑

「煮蛸」砂糖とカルダモンとナンプラーで煮てます。

「煮鮑」オイスターソースで煮る。肝はレッドカレーを混ぜているが、こんな濃厚なカレーは反則です。

「小肌」なますと大葉を生春巻き仕立てで。なるほど、ライスペーパーがシャリなのか。笑

「茶碗蒸し」プーパッポンカレーの再構築。蟹と卵のカレーが蟹の身の茶碗蒸しに生まれ変わります。

「鯵のなめろう」塩分濃度の高いタイの味噌のタオチオとタイの生姜であるカーを調味料に。

「牡丹海老の紹興酒漬け」中華の影響を受けるタイでは紹興酒も定番の1つ。海老味噌とバイマックルで絡めて。

続いて、にぎり。

「ボラ」ガパオを因数分解。ネタの下ではガパオのバジル炒めがシャリになっております。笑 ちなみに、魚は有名漁師の村公一氏より。

「マカジキ」ソースは、マンゴーと青唐辛子。

「墨烏賊」カイケムと呼ばれるタイの塩漬け卵と。ニンニクばりの味のインパクト。

「赤身」個人的にはこれが一番好きだったかも。煮切りの中にはクミンの風味がたっぷり。

「カンパチ」ライム、ミント、ナンプラー、ニンニク、タイ要素を詰め込みまくってる。笑

「中トロ」ラープと呼ばれる肉や魚などにハーブなどを混ぜる料理があるが、これをネギトロに応用。タイ米を炒ったもの、ハイゴショウなども加わり、噛むたびにフレーバーが変わるユニークなアウトプット。

「車海老」これがもはや完全にトムヤムクン。寿司の顔したトムヤムクンです。笑

「雲丹?」雲丹に見立てた握りは、実はマッサマンカレーとココナッツで擬態したもの。面白い。

「雲丹!」本物の雲丹はトムカーガイ風に。

「穴子」バナナの葉で煮る姿にどこの国かと錯覚します。笑

「稲荷寿司」これも名物的な位置付け。油揚げの中にグリーンカレーがいるのだが、ハーブのエッセンスなどが素晴らしいアクセントに。

「お椀」もちろん赤出汁や味噌汁などではなく、お椀はトムヤムクン麺がつとめます。

「玉子」最後まで手を緩めず、白身とココナッツで作った白い玉子でフィニッシュ。

タイ料理と寿司を融合させた、変タイ寿司をご紹介してまいりましたが、ここまでこだわって、変タイ寿司を完成させた大将はやはり変態だ。ご馳走様です。

鮨 すがひさ
東京都港区虎ノ門2-7 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 4F
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130802/13292627/

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