2024.02.15 夜 シェフは、料理人であり研究者だ!@四川料理 巴蜀 中華料理 上野・浅草・日暮里 30000円〜49999円 ★★★★☆ 『四川料理 巴蜀』の萩野亮平シェフ、彼は料理人であり研究者だ。博多の人気中華料理店として名を馳せた名店が、東京の浅草に移転した。屋号に使われる文字は、現在の四川省の場所でかつて中国にあった巴州と蜀州を指す。ネーミングのアプローチと同様に、古典に料理のアウトプットを見出すのも萩野流。その伝統に忠実なことが一周回って新しさを作り出す、これぞ温故知新というアウトプット。 四川料理には「一菜一格、百菜百味」という考え方がある。一つの料理に1つの個性があり、つまり百の料理には百の味があるという意味だ。福岡時代から彼の料理は、この実践から始まる。7種類に及ぶ前菜の登場だ。「トマトの甘酢漬け」「きゅうりの黒酢漬け」「めんまの塩味煮込み」「乾燥そら豆のウイキョウ煮」「里芋の炒めもの」「焼き芋と文旦の皮のマーマレードのあえもの」「えのきと桜エビペーストのあえもの」 そして、彼の研究者としての凄みを見ることになる4つの棒棒鶏が続く。エリアにフォーカスした中華料理はあるが、年代に焦点を当てた中華料理など見たことがあろうか。なんと4つの棒棒鶏を食べさせてくれるのです。 左上、1930年頃。楽山の隣で生まれたという発祥の味。右下、1960年頃。重慶の隣の合州で有名だったもの。この頃に胡麻だれが流行りだしたのだとか。右上、1980年代。重慶のレストランで誕生したよだれ鶏の元。よだれ鶏ってベースは棒棒鶏なんですねぇ。左下、1993年創業のレストラン廖記棒棒鶏の味を再現。安心や安全がテーマになった時代でガラス貼りの店舗だったんだとか。その他の料理はこちら。「すっぽん炒め」黒酢の入った醤油味。エンペラが忘れられない美味さ。 「甘鯛カラスミ」ふんわりと柔らかい火入れ 「伊勢海老」ひかひれと和えた贅沢な一品。 「和牛の炒め」バーベキューソース炒め。ほうれん草を敷いて。 「赤ハタ」今度はズワイガニをたっぷり和えて。適度な辛味が最高です。 「スッポンおこわ」旨味をたっぷり吸ったおこわはいくらでも食べられそう。笑 「麻婆豆腐」1920年の麻婆豆腐。今度は棒棒鶏じゃなく、時代ごとの麻婆豆腐を食べてみたい。笑 「蛤スープ」問答無用。貝の旨味は正義です。 「杏仁豆腐」ジャスミン茶のゼリーとともに。 シェフが料理人であり研究者だとお伝えした意味がわかってくれたでしょうか?ちなみに、来年からシェフは大学院にて唐辛子の勉強をしていく予定なのだとか。研究者としての知見が増えれば、それだけ料理人としてのスキルも上がっていくのでしょう。来年以降の唐辛子を使った料理のアップデートも楽しみでなりません。ご馳走様でした。 — 四川料理 巴蜀090-6975-2371東京都台東区浅草6-5-3 テラ21ビルディング 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13291652/