2023.10.11 夜 高いばかりが美味いじゃない!技術とセンスでコースを作る。@私厨房 勇 中華料理 目黒・白金・五反田 10000円〜29999円 ★★★★☆ 白金にある中華料理店『私厨房 勇』を訪ねます。 屋号は、コンセプトに掲げる”私房菜”が由来。 シェフが引退後に自宅で友人のために食事会を催すことを指し、香港での食文化の1つとして定着しているそうだ。2007年に松戸で「中国麺飯勇」をオープンさせて人気店となり、2014年に屋号を変えてここ白金へと進出を果たしております。引退後では無いですが、ある意味では、こここそがシェフにとっての”私房菜”なのでしょう。カウンター越しのシェフの会話は実に楽しい。 3万とか5万が当たり前になってきた時勢にあって、コース料金は1万円ばかり。それで見劣りすることがないのは、シェフのセンスと技術に他なりません。例えば、「スープ」においては、金華ハムを使わずとも中国ハムで十分に旨味を取り出す。これに南瓜を合わせたポタージュは絶品だ。 また、スペシャリテである「活鮑のチャイニーズステーキ」も同様。国産の立派な鮑を使わずとも、紹興酒で炊いたり、肝と豆豉のソースを合わせたりと、味のレベルを幾つも引き上げます。 いや、鮑そのものの極上の柔らかさにも驚かされるばかり。きっと火入れの技術の高さに由来するのでしょう。胡椒のアクセントもバッチリ。スペシャリテにふさわしい逸品。 その他の料理のラインナップはこちら。 「三種前菜」連根の黒酢炊き、蒸乚鷄の葱生姜野沢菜ソース、天然真鯛の刺身サラダ。蒸し鶏のソースが秀逸。 「三陸產帆立貝と中国野菜の炒め」中華の味付けとは思えぬさっぱりテイスト。油のニュアンスはありつつも野菜の風味をビビッドに感じさせます。 「牛類肉のフレッシュトマト煮込み」肉料理としての満足感を保持しつつ、新鮮なトマトの酸味が軽さを演出。 「梅と紫蘇のスープ炒飯」紫蘇の爽やかさと梅の酸味がやはり軽やかな印象を。スープ仕立てもこのタイミングにあってスッと食べやすい。 「香港焼きそば」コースの追加メニュー。香港麺の細麺に醤油風味って無敵ですよね! 「阿波和三盆杏仁豆腐」 メニューは季節ではなく、訪問回数で変化していくんだとか。また、シェフの私厨房を訪ねたいと思います。ご馳走様でした。 — 私厨房 勇03-5422-9773東京都港区白金6-5-5 モリハウス 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13168401/