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2023.10.08 夜

魚介と出汁が圧巻。@馳走 啐啄一十

日本料理

広島市

10000円〜29999円

★★★★☆

広島県、いや全国屈指の日本料理店『馳走啐啄一十(ちそうそったくいと)』。

同店を評価する上で、外すことができないのが国内外の一流シェフ達が求める「サスエ前田魚店」の存在。確かな目利きと手当ての魚たちが一十の最大の武器になっていることは間違いない。余談だが、仕入れ担当だった弟子の西健一氏はサスエの地元である焼津で自分の店を開業している。強い信頼関係の証拠といっていいでしょう。

一方で、地の利もしっかり生かしている。それが、全国でトップクラスに柔らかいとされる軟水だ。出汁の旨味を引き出すのに軟水が向いているというが、まさにそれを実践している。やはり全国区である、利尻や羅臼に奥井海生堂などの昆布が広島の軟水によって最大限にポテンシャルを引き出されます。また、広島の中央卸売市場の卸である「吉文」との取引にも積極的。今あるものを手に入れるだけでなく、育てるという思考に頭が下がります。自分の店だけでなく、地元の食文化そのものを向上させようとしているのです。

それでは、絶品の魚たちと軟水が作り出す出汁の秀逸さをご覧に入れましょう。

「渡り蟹の煮麺」福山産の渡り蟹と。確かに出汁の甘味が強く出ております。

「のどぐろ」のどぐろの出汁で炒めたキャベツを下に。その脂でバターソテーのようなアウトプット。のどぐろよりもキャベツが主役。

「本ミル貝と海水のジュレ」愛媛県産。海水の塩気でさっぱりと。

「赤雲丹」愛媛産。この時期に赤雲丹とは!余韻の伸びに驚き。

「御椀」白甘鯛と松茸。利尻の昆布と鮪節の出汁が、甘味が強く日本酒ともピッタリ。その日本酒も軟水で作られるので、全てがまろやかなアウトプットにつながります。

ここから怒涛のお造りタイム。前述のサスエと地元の魚達が主役の時間です。

「虎魚」広島県江田島産。3日寝かせ。

「白甘鯛」サスエ前田魚店。4日寝かせ。

「アオリイカ」2.5kgアップ。1週間寝かせ。ねっとりと美味い。

「金目鯛」サスエ前田魚店。

「鰤」広島県産。1週間寝かせ。

「カワハギ肝」広島県江田島産。

「カワハギ」広島県江田島産。

まだまだ続きます。今度はメインディッシュたちが出番でございます。

「和牛ステーキ」山口県の希少銘柄牛のラムイチ。わさび漬けのような麦味噌と辛子で。魚ばかりかと思いきや、肉のクオリティーまで高いとは恐れ入る。

「鰤の炭火焼き」山口県岩国産の銘柄鰆のサワライダー。6種の野菜を使った醤油ベースのソースで。しっとりとした絶妙な火入れ。

「和牛しゃぶしゃぶ」山口県の希少銘柄牛のサーロイン。肉と松茸はもちろんのこと、やはり複数の節による出汁が最高だ。

「食事」虎河豚のご飯。天然の自然薯とこのわたを合わせて。

「食事のお供」原木椎茸

「菓子」白胡麻プリン

全国区の料理店であることに納得の連続でございました。広島にとどまらぬマクロな視点と、広島の利を生かすミクロな視点の両方を持った素敵なレストランです。ご馳走様でした!

馳走 啐啄一十
050-5456-2533
広島県広島市中区富士見町5-1 随木ビル 1F
https://tabelog.com/hiroshima/A3401/A340117/34023887/

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