北新地のビルの地下にあるレストラン『U.KAI(ユーカイ)』へ。
ビルの表には看板が出ておらず、しかも、1日5席限定という色々と訪問のハードルが高い。2020年のオープンながら、大阪が誇る繁華街にあって予約困難店のポジションを絶対的なものにしております。
シェフはポンテベッキオ出身とのことで、イタリアンを想像していたが、コースにはシェフの全ての経験が詰まっており、ジャンルは定義が難しい。キャリアのスタートは日本料理であり、その後イタリアンやステーキ店を歴任。さらには、アジアを回った経験からスパイスへの造詣も深い。ちなみに、今度はアフリカにも勉強に行く予定なんだとか。笑
さっそく、服部シェフの経験が作り上げたコースをいただいてまいりましょう。
「シャトーブリアンのカツレツ」
薄くカットしたパンでロールしたシャトーブリアンのカツレツ。名物に位置付けられる、シンプルに肉の旨味を堪能させてくれる逸品。パンはふんわりと柔らかくカツレツを包み込み、マスタードがいいアクセントに。
「雲丹、山芋のマリネ、蓴菜」
オリーブオイルで味を上手にまとめた一皿。
「真魚鰹」
しっとりと火を入れた真魚鰹。カルボナーラ風のソースにたっぷりのトリュフを重ねて。塩もきっちり効かせており、お酒の相性も抜群。
「にゅうめん」
コシが強い2年熟成の三輪のにゅうめんに松茸を合わせた料理。ヌクマムの塩気とコク、干し海老の風味、ベトナムのペッパー、その全てがアジアの世界に連れて行きます。
「鱧」
和食を代表する鱧はとうもろこしを包んだフリットにて登場。スペインの定番のアリオリソースがあったかと思えば、チュニジアのスパイスを参加させるなど、相変わらず料理が縦横無尽に世界規模で動いております。笑 スパイスのニュアンスが味を引っ張るが、全体のバランスの取り方はお見事。
「筋子」
ストラッチャテッラと筋子をたっぷりのオリーブオイルで。まるで湯葉のような雰囲気でチーズを楽しませる
「鰻」
耳たぶ型のパスタであるオレキエッテ。ただし、生地にはトッポギが使われており、そのもちもち感が強い個性に。ジュノベーゼ風なのだが、バジルではなく木の芽で。今度は、和伊韓が登場しております。
「八寸」
だいぶお腹も膨れたが、ここで野菜の八寸の登場。日本料理の提供方法ながら、カポナータや木の子のエチュべなど、やはり世界の料理法がここに込められます。それを含め全ての調理法が違うという、ワンオペでこれをやろうと思う精神にも拍手。
「シャトーブリアン」
訪問時からじっくり火入れをしたメインディッシュが登場。終始、タイムとにんにくの香りにやられてました。笑 肉自体の柔らかさも驚きますが、じっくりとした旨味は素材の良さを火入れを良さを物語ります。
「オマール海老ご飯」
オマール海老と帆立をふんだんに使った贅沢ご飯。XO醬で上手にまとめております。
「和栗のバスクチーズとピスタチオのジェラート」
ご紹介してきた通り、ジャンルを規定しない多種多彩な料理法や調味料使いが印象的。ただ、それでいてブレずに料理をまとめてくるのがセンスと言っていいでしょう。楽しく美味しい、これがユーカイの魅力だ。ご馳走様です。
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U.KAI
050-5456-8986
大阪府大阪市北区曽根崎新地1-1-40 ジロービル B1F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27116521/