2023.09.05 夜 若き大将、錦で握る。@吉凰 寿司 名古屋市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 名古屋が誇る繁華街の錦に位置する寿司店『吉凰(きっこう)』へ。かつてはミッドランドスクエアで営業した店だが、代替わりと同時に、錦に移転を果たしております。 場所柄か、早い時間には同伴の方々が目立つが、彼ら彼女らに愛されていることが会話の中から伝わります。どうやら、大将のキャラクターが1つの魅力ようだ。また、若くして独立を果たした大将ではあるが、研究熱心であることは間違いない。寿司店でも修行経験は多くなく、食べ歩きの中で多くのヒントを得てきたそうです。それではさっそくご紹介してまいりましょう。まずはつまみ。握りも含めた全体的な共通の印象は、過度な味付けや演出がないこと。若さに頼った方向性ではなく、素材ときっちり向き合っているのは好感度が高い。素材の季節柄もあるが、とてもクリアな味わいを尊重しているように感じます。特に印象的だったのはいくら丼で、塩漬けなどはせずに、鰹出汁で優しく風味づけをしておりました。「枝豆のすり流し」夏にぴったりのスターター。 「鯨の尾の身」柔らかくて臭みなし。 「鰹」皮目をパリッと藁焼きにして。クリアな味わい。 「いくら丼」優しい 「白甘鯛」松笠焼きにて。 握りも同じ印象で、赤酢のニュアンスが強そうな見た目ながら、ほんのりとした酸味。古米を使ったやや芯の残った硬めのシャリで、この食感が米の甘味を感じさせる装置になっております。煮切りもまろやかなタッチで、やや強めの塩気が満足感も醸成しております。よくバランスの取れたお寿司だ。繁華街という立地に由来する部分もあるのでしょう、小さめに握ってくれるのも嬉しいポイント。鮪はやま幸さんから塩釜産のもの。つまみの鰹と同じ印象でクリアな味わいだが、煮切りや漬けで上手に補完しております。「メイチダイ」 「鰯」 「中トロ」 「漬け」 「大トロ」 「小肌」三日目。まろやかな酸使い。 「おはぎ」 「新烏賊」 「車海老」 「雲丹」 「穴子(塩)」 「穴子(ツメ)」ツメに軍配。 「赤出汁」 「カッパ」桂剥きにした胡瓜を浅漬けにしたものを海苔で包む。面白い。 「玉子」海老と大和芋の卵焼き。 はなれと称して、女将さんによる立ち食い寿司の経営もしていたり、コースのうち一貫は弟子に握らせたりと、試みも面白い大将。今後のご活躍を楽しみにしております。ご馳走様でした。 — 吉凰052-684-6890愛知県名古屋市中区錦3-17-27 ソシアルビル M1Fhttps://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23069704/