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2021.08.20 昼

平和な時間に彩りを与える、美しい料理達。@ヴィラ・デラ・パーチェ

イタリアン・ピザ

能登南部

10000円〜29999円

★★★★★

石川県七尾市にあるレストラン『ヴィラ・デラ・パーチェ(VILLA DELLA PACE)』。能登半島の東の湾沿いにあり、金沢からは車で約1時間の道のり。もともとは七尾市街にあったレストランだが、オーベルジュとして移転オープンしている。

レストランの前には、青い空と白い雲、そして青々とした緑が広がります。ゆっくりと流れる雲や風に揺られる草木、いつまでも見ていられそうです。

そんな湾沿いにポツンとレストラン。目の前はもともと海水浴場だったそうで、建屋はその海の家がベースになっているそう。なるほど、キッチンのブロックや床の雰囲気などは確かに当時の姿を想像させます。

眼前に広がる景色もまた、レストランを形作る一部。店内はシンプルでいい、いやシンプルがいいのです。ちなみに、夜になれば大きな月が水面に浮く事もあるそう。“PACE”とはイタリア語で平和という意味。まさに平和な時間がここには流れております。

食材は、やはり地元産のものを駆使したもの。食材だけでなく、カトラリーや空間演出までも全て北陸で統一しております。料理は、味わいの強さを担保しつつ、食材本来の味わい残す、いわゆるリスペクト型の料理。こういった料理のアプローチも景色や空間と一体化しているような印象です。それでは、1つ1つの料理をご紹介してまいりましょう。

「西瓜」
西瓜のガスパチョ。カクテルのソルティードックのようにグラスの周辺に塩をまぶしております。もちろん、塩は能登産のもの。味覚を起こす塩気はもちろん、西瓜やレモンによる冷涼感もあり、この暑い季節において完璧なスターターになっております。

「アミューズ」
センスの光るフィンガーフードなアミューズ達。青紫蘇入りのメレンゲのアンチョビバターのサンド、七面鳥と鯨の生ハムと合わせたピザ風仕上げ、能登伝統野菜の中島菜を練り込んだタルトにストラッチャテッラを乗せたもの。

「赤烏賊 背脂」
薄く包丁を入れた赤烏賊の上に、同じく薄くスライスしたラルドを重ねます。玉ねぎや柑橘なども含めて全体的にさっぱりした印象だが、背脂が動物性の旨味を担保しております。塩も適度にあたっており、シンプルで涼しげな料理にわかりやすい満足感が追加されたように印象です。

「花白 胡瓜 つるむらさき」
花白とは能登地方における鰹の呼び名。厚めのスライスがゆえに風味が強く感じられる印象。ソースは焼き茄子が務めるが、もはやソースというよりジュース。モロヘイヤの素揚げなども風味や油が味のアクセントに。やはり塩はきっちりあたっており、涼しげ料理の中にしっかりした印象を作ります。

「タヤリン のと115」
のと115とは原木椎茸の品種の事で、その風味で手打ちのタヤリンをコーティングしております。椎茸の旨味が香りも味も強くパスタに吸着。追い討ちを描けるように香茸のパウダーを散らしているのだから、鬼に金棒。タヤリン自体の食感も抜群で、椎茸の旨味を味わい媒体としても機能しております。これ、美味いっす。

「ラザーニャ 鮎」
偏見かもしれませんが、ラザニアってもはやチーズを食べさせるものだと思ってました。だが、ここのラザニアは一味違って、鮎の素材の旨味が前面に。3枚におろした鮎の身だけでなく、頭や内臓も出汁としてミートソースに参加しております。鮎がアタックで、チーズが追いかけ、鮎が余韻に。ミトミえもんの固定概念を崩すに十分なアウトプット。付け合わせの胡瓜とメロンはすっきりとコントラストを作ります。

「畑」
能登島は赤土の畑だそうで、器を含めてその様子を表現した一皿。これで30種類もの野菜が使われます。それぞれに調理法を変えるが、味付けは塩とオリーブオイルのみ。やはり素材本来の味をしっかりと楽しませてくださいます。

「キジハタ 白茄子」
バターで焼いたキジハタは火入れが抜群、しっとりとした食感に口が喜びます。味つけには浅利やピーマンのペースト、パプリカのローストをオイルで伸ばしたソースが参加。それぞれの風味が波のように段階的に押し寄せ、キジハタへとパスをしていくよう。

「自然豚 南瓜」
放牧してる豚肉の肩ロースは、さっぱりした味わいに驚きます。ぶどうの枝で燻したそうで、その風味だけが肉に残ります。

「葡萄 ヨーグルト」
能登産の葡萄をヨーグルトのジェラートとともに。

「桃 餅きび」
きび団子。桃とココナッツ。

ヴィラ・デラ・パーチェ
石川県七尾市中島町塩津乙は部26-1
https://tabelog.com/ishikawa/A1703/A170302/17012559/

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