創業昭和
三十五年
新潟古町
兄弟寿し
昭和三十五年創業、新潟の古町にある寿司の名店『兄弟寿し』へ。暖簾を守る現大将は2代め、初代が兄弟で始めたことが屋号の由来だそう。新潟で生まれた大将は東京で江戸前鮨を学び、29歳にして家業を継いでいる。魚処である地元の魅力を深く追求し、同店を全国に誇る名店へと押し上げている。必ずしも正しい尺度だとは思わないが、ミシュランの2つ星の獲得もその証左の1つといっていいでしょう。
確かな江戸前の技術を前提にユニークな挑戦が見られる。優先されるのは江戸前のルールではなく新潟の魅力であり、我々の美味しいという味覚だ。わざわざ地方にいって江戸前寿司を食べてもねぇ、、、なんて人にはぜひオススメしたい。兄弟寿司には伝統的な江戸前にはない、鱚があり、鰻の寿司があり、味噌汁があります。そのいずれもが新潟の魅力であふれているのです。また、新潟産のネタの個性をきっちり理解して、一つ一つに適した切りつけや調味を行っているのも素晴らしい。もしかしたら、彼は将来新潟寿司と呼ばれる創始者になるかも。これが大袈裟ではないほど、レベルが高いお寿司達でございました。
雲丹を除く全てが新潟産、酢だって水だって新潟産。全体の印象としては、シャリはやや大きめで柔らかめ。粕酢と米酢のブレンドで流行の赤酢とは全く異なるアプローチ。酸はマイルドで新潟の鮨種がきっちり主役になっております。全身全霊で新潟を感じてみて。さっそく、そんな料理のラインナップをご紹介していきましょう。
「枝豆」新潟県産のいきなまる。コクのある甘みが特徴。
「アラ 」福岡ではアラはクエのことだが、新潟ではスズキ科の魚。新鮮さが伝わる味わい。
「血鯛」新潟の呼び名で、春子鯛のこと。
「穴子」佐渡島産。白焼きにて。
「南蛮海老」いわゆる甘海老のこと。南蛮って唐辛子って意味らしく、赤い唐辛子のような見た目が由来らしい。ねっとりとした食感の先に強い塩が引き出した旨味が。
「のどぐろ」その南蛮海老を食べているのどぐろ。脂たっぷりの様子ではなく、身の味をきっちり感じられるもの。これも地の特徴。
「茶碗蒸し」あおさと梅干しで。出汁のレベルが高い。梅との相性もバッチリ。
「赤烏賊」酢橘のニュアンスが良い
「雲丹」唯一の県外産。岩手からやってきた雲丹と三河からやってきた海苔。新潟の雲丹はどうしても小粒らしい、、、
「鮑」佐渡島産。肝ソースとともに。
追シャリも!
「鱚」江戸前では敬遠されるが、夏を感じる爽やかな一貫。
「鮪」佐渡は一流の鮪の産地。しかも釣りの鮪でございます。
「バイ貝」串焼きにて。
「鯵」驚くほどプリプリな食感。これが新潟の鯵の特徴らしい。間にカットを入れてそこに薬味を挟んでおり、地元のネタの個性をしっかりと理解している証拠でございます。
「鰻」生姜と梅を合わせたもの。ちなみに、こちらも江戸前では敬遠される握り。江戸前では川魚は使わないのです。
「アスパラ」新発田産。新潟は野菜だって素晴らしい。
「毛蟹の手巻き」佐渡島産
「穴子」
「玉子」一般的には芝海老なんかが普通だが、ここでは南蛮海老のすり身を使用。海老自体が水分量が多いらしく、玉子もそれに比例するように口溶けの良いものに。これは美味。
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兄弟寿し
050-5571-6667
新潟県新潟市中央区古町通9番町1461-1 坂上ビル 1F
https://tabelog.com/niigata/A1501/A150101/15000215/