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2021.06.23 夜

西麻布に大物ルーキー現る!!?@麻布さおとめ

寿司

六本木・麻布・広尾

30000円〜49999円

★★★★☆

2020年10月、西麻布にルーキーが登場した。ご自身の名前を冠した『麻布さおとめ』のカウンターに立つ、五月女広氏その人である。ルーキー、つまり新人と紹介してしまったがこれは全く正しくない。

まずは彼の経歴についてご紹介してまいりましょう。

彼のキャリアは「銀座久兵衛」にて寿司職人としてスタート。ホテルオークラの「山里」にて日本料理の経験を積み、アムステルダムやロンドンと海外を渡り歩く。帰国後に働いたお店にて、香港人オーナーに見初められて香港に渡る。そこから11年、同店をミシュラン獲得へと導いた、そんな男なのです。厚みのある料理人人生を走り続ける彼は現在64歳、この年齢で新しいことを始めるというバイタリティーに驚かされます。西麻布に大物ルーキーが、いや大物が現れました。

でも、海外の和食店で美味しいと思った経験あります?

そもそも日本料理を選択することが少ないが、どうしても”なんちゃって”感が否めない。なんとなく寿司があり、なんとなく和食があり、なんとなく洋のエッセンスをそこに投入する。だが、彼は自身のキャリアで磨いてきた、寿司、和食、洋のエッセンスの全てポジティブにコースで反映させております。さっそく料理をいただいていきましょう。

「鱧」そうめん状の鱧に、蓴菜やトマト、オクラや梅干で構成。出汁のクオリティーにレベルの高さを感じさせます。

「黒鮑」芋茎との組み合わせ。先ほどとは打って変わって、貝類の旨味の効いた塩気のしっかりした出汁。

「毛蟹」根室産の毛蟹と組み合わせるのはキャビア。そのままの風味を楽しませ、ジュレやキャビアでバリエーションも。

「鮎」長良川の鮎。蓼酢は苦味だけでなくフルーツっぽい香り。苦味の強いものと勘違いしがちだが、これこそが蓼の風味。素晴らしい。

「クエ」お椀は蓮根餅と共に。蓮根の食感と旨味を残す餅が美味すぎる、、、

「ノドグロ」炙ったノドグロと独活、これを酢味噌で和えたもの。脂の強いネタに酸味がいい効果を。

出汁や組み合わせなど日本料理の妙を見せてくれた後は、寿司屋さおとめがスタートする。

「クエ」湯通ししたクエ、柚子胡椒と共に。

「トロ」薄造り。大トロの脂を薄造りによって適度に調整し、大根おろしと山葵のボールがそれを強調。ありそうでなかったアウトプットで、口溶けよく、しかも脂が邪魔しない!

「トロ」シャリと合わせるとまた表情に変化が。

「赤身」漬け

「雲丹」

「トロたく」鮪比率が高いんですね。海外の人もきっと鮪が大好きなのでしょう。

このあたりからがクライマックス。洋の比率が高まる、さおとめワールドの真骨頂のお時間です。

「フカヒレ」炊いて、柔らかくして、味を入れて、揚げる。中華な料理がたちまち和食に。フカヒレを手で食べたのは初体験だ。

「鱧しゃぶ」新玉の甘味が鱧と合うこと、会うこと。

「鴨茄子」口溶けのいい茄子に削り節の組み合わせ。ほっこりする〜

「ヒレ肉」野崎牛

「すき焼き」定番の一品では炭焼きの肉と卵黄のエスプーマの組み合わせ。これは日本人も海外の人も喜ぶだろう。

「雲丹トリュフご飯」さおとめの今も昔もスペシャリテ、つまり日本でも海外でも通用する一品。まるでリゾットにように動物性の旨味を加え、トリュフの風味とのマリアージュを狙う。雲丹もいいが、主役は間違いなくトリュフ。海外で和食の一流店を築き上げた五月女氏らしいスペシャリテ。

いかがだったでしょう?寿司、和食、洋のエッセンス、これほど上手に調和させたコースもなかなかないでしょう。海外で星を獲得し続けたからこそのオリジナル和食。64歳の大物ルーキーの料理、まだまだ進化の予感が止まりません!ご馳走様でした。

麻布さおとめ
03-5843-0537
東京都港区西麻布3-1-9
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13252405/

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