2021.06.20 夜 若くして名人の跡を継いだ男@銀座 鮨青木 銀座本店 寿司 銀座・新橋・有楽町 10000円〜29999円 ★★★★☆ 銀座の鮨店『鮨青木』、暖簾を守るのは二代目の青木利勝氏。二代目といっても楽してその座を手に入れたわけではなく、むしろ他の職人よりの倍も苦労してきたのかもしれない。 名人とも呼ばれた先代は、念願の銀座進出の翌年に他界。京橋の「与志乃」で腕を磨いた二代目が合流した直後の出来事。つまり、大黒柱を失ってからの波乱のスタートになったということ。同時に大きな借金を背負ったそうですが、先代が残した人脈などを財産にお店を成長させます。ちなみに、二代目が腕を磨いた与志乃は、あのすきやばし 次郎の小野二郎氏、鮨 水谷の水谷八郎氏など、もはや教科書レベルの職人を輩出している老舗でございます。先代から受け継ぐばかりでなく、自身でも厳しい修行の末に確かな実力を手に入れております。残念ながら、当日はその大将は不在。ただ、お弟子さん達の活躍も目立つ名店。きっと青木イズムは全ての職人達に浸透しているでしょう。 全体的な印象はネタに無理のさせない、背伸びのない王道なラインナップ。確かな素材を江戸前の丁寧な仕事で提供してくれる、派手さはなくとも安心感のあるコースになっております。一方で、つまみを中心にユニークなアプローチも見られ、これが我々だけでなく常連さん達も喜ばせているのでしょう。アクセントには”崩し”も重要だ。 その象徴ともいえるのが車海老。真ん中に切り身を入れて尻尾を重ねる斬新なアウトプット。車海老を大きくて一口で食べるには難儀するが、これなら誰でも楽勝です。しかも、歯応えの変化という副産物もあり。 まずはつまみから。ユニークな組み合わせにも注目ください。 「絹もずくと雲丹」強い酸味だが、ウニの甘さがバランスをとる。 「鰹のたたき」玉葱醤油で。塩ではなく、玉葱の旨味で食べさせます。 「真子鰈、中トロ(境港)、ミルガイ」鮪の仲買はやま幸 「トリガイの醤油焼き」黒七味と 「蒸し鮑は蒸し蛸」 「毛蟹」土佐酢のジュレと穂紫蘇と合わせて 「鰻の白焼き」皮めだけを残してとけていきます。キャビアの塩気もグッドなアクセント ここから握り。シャリは硬めの炊き具合で、米酢による王道寿司。 「小肌」厚めの切り付け 「金目鯛」炙りにて 「白烏賊」酢橘の塩で 「赤身」漬けにて 「大トロ」香りが非常に強い個体 「平貝」 「鯵」 「雲丹」礼文より 「蝦蛄」小樽より。しっかりした食感があり、それが味にも比例します。 「穴子」 名人の息子にして、名店で成長を遂げた男。若い時分から暖簾を守り続ける二代目二代目に、今度は握ってもらいたい。ご馳走様でした。 — 銀座 鮨青木 銀座本店03-3289-1044東京都中央区銀座6-7-4 銀座タカハシビル 2Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13000563/