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2021.03.26 夜

日本最高峰のグランメゾンの1つ@ロオジエ

フレンチ

銀座・新橋・有楽町

30000円〜49999円

★★★★★

日本最高峰のグランメゾンの1つ、銀座のフレンチ『ロオジエ』。
グランメゾンを訪ねる人々が求めるもの、その全てが集まっていると言っても過言ではありません。誕生日のお祝いやプロポーズの場所に選ぶ人も少なくないという。その事実は人々にとってどんな位置づけにあるかは明らかでしょう。1973年創業の老舗の安定感、ミシュランの三つ星という実績、9メートルに及ぶという吹き抜けが作るラグジュアリーな空間、やはり特別な日を過ごすのにふさわしい。春の匂いが香る季節、円形の客席の中央には大きな桜が印象的に飾られます。う、うつくしい。その美的センスは経営が日本の美しさを牽引する資生堂だということも無縁ではないでしょう。

厨房を預かるシェフは、フランス出身のオリヴィエ・シェニョン氏。いい意味で、日本に迎合することなく、フランス料理の本質や伝統をそこに残します。現代的なアプローチのモダンなアウトプットも少なくないが、横にずらすのではなく、縦に深化したような。だから薄っぺらい印象がそこにないのでしょう。

一口サイズというより半口サイズほどの可愛らしいアミューズブーシュからスタート。小ささの中に魅せる細工には日本的なセンスの高さを感じさせます。このサイズ感の中でどれだけの食材がどれだけの味覚を作っていることか。

続くブロッコリーのスープでも同じ印象。冷製のスープの中にはビーツのシャーベット、竹炭のチップス、野菜のブイヨンゼリーなどを重ねます。ここには温度のコントラストと、食感のコントラストが。味だけではないバリエーションが面白い。

小さな芸術はもう一皿、ここにもバリエーションの面白さが。薫製した鱒の上にはキャビアなどは安定して塩気を作るが、西洋山葵のクリームに重ねたのはキャビアのチップス。誤解を恐れずにいえば、駄菓子屋で食べた烏賊のチップスのような味わい。新鮮で懐かしい、そんな風味を提供してくれます。

鮑の器に入った鮑を使った一品。バターでソテーした鮑、紅心大根に包まれた鮑の肝、やはり鮑の様々な姿がここに。下部にはカリフラワーと海苔を細かく刻んだもの。味だけでなく彩りの豊かさもまた追求しております。

これらの華やかな料理を包み込むのは、生雲丹を使った泡状のソース。これが全てに一体感を作り上げます。お見事。

メインはブルターニュ産のオマールと仔牛のロティ。共通するのは火入れの素晴らしさで、前者は弾力と風味が、後者はピンクな色味がこれを物語る。フォンドボー入りのソースも抜群で、肉料理についてはかなりのクオリティーの高さを感じます。正直、フレンチにおけるメインの肉料理はいらない派ですが、これについては確実に食べさせてもらいたい。

この後もチーズにデザートにと最後まで手綱を緩めない。その他、ワインにおいてもグラスとは思えぬラインナップを揃え、ソムリエさんも世界大会で活躍するレベルというおまけ付き。アラを探そうにも見つからぬ、日本最高峰のグランメゾンにふさわしいレストランでございました。ご馳走様です!

ロオジエ
03-3571-6050
東京都中央区銀座7-5-5
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002607/

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