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2021.02.27 夜

野菜と遊び心で奏でる音律。@L’Octave Hayato KOBAYASHI

フレンチ

原宿・表参道・青山

10000円〜29999円

★★★★★

千駄ヶ谷の裏路地に、小さく可愛らしいフレンチのお店がある。
『L’Octave Hayato KOBAYASHI(ロクターヴ ハヤト コバヤシ)』、店名に記された小林隼人氏がオーナーシェフを務める。シェフは本場フランスでの修行経験を始め、三つ星レストランである「レフェルヴェソンス」のスーシェフまで務めた実力派。ちなみに、”L’Octave”は音階を意味するオクターブが由来なのでしょうか。料理にはワクワクするような遊び心が込められており、コース全体をもって華やかな音律を奏でております。

さっそくスターターから遊び心が満載。メニュの名前はずばり「Kanzume」、白い缶詰の中に華やかな料理が隠されます。

白い無機質な缶詰からとは思えない華やかな世界観が広がっております。サーモンのタルタル、クリーム、キャビアの塩気、花穂紫蘇のアクセントなど、それぞれが空腹な胃袋に心地良い刺激を与えてくれます。

お次は「Yariika」。主役は間違いなく炙った槍烏賊ではありますが、最も印象的だったのは蕪。縦に薄切りをしたシルエットが可愛らしく、味わいとしても甘さをきっちりキープしております。ハッサクの爽やかなアクセントも吉。

センスの良さは全ての皿から伝わる。「St-Jacques」では北海道産ホタテ貝が主役だが、サフランで作った泡のソースが秀逸。見栄えと味わいが同居しているのは、やはりセンスの良さと言っていいでしょう。

玉ねぎ丸ごと1つ器にした、ずばり「Tamananegi」。北海道産玉ねぎは甘みに優れ、器含めて100パーセントのオニオングラタンスープに仕上がっております。

これに代表されるように全体を通じて野菜の存在感が強いのも好印象。野菜好きの人などは、ぜひお伺いしたいフレンチと言っていいでしょう。続く「Kinmedai」でも主役の金目鯛を食うほど、菊芋のピュレの味わいが素晴らしい。

野菜という素材だけでなく、味付けのアプローチも穏やかさがある。つまり、塩気が適度なのです。その中にあって、唯一塩を強く感じたいのが魚料理のメインである「Amadai」。

山口県産甘鯛に千葉県産ハマグリのソースを充てています。蛤由来の塩気で持って味わいのインパクトを作っております。ヤングコーンをリゾットに合わせたり、オイルは青ネギだったりと、やはり野菜の存在感は失うことはない。

火入れのレベルも安定感があり、フランスブルターニュ産オマール海老(Homard Bleu)、岩手県産黒毛和牛A5フィレ(Boeuf Rôti)など、素晴らしいアウトプットでございました。食材達の周辺を華やかにしているのもやはり野菜達の存在でございます。

デザートは温かいチョコレート「Chocolet Chaud」で終了。

最後にテーブルを華やかにしてくれた菓子達もまた可愛らしい。ご馳走様でした!

L’Octave Hayato KOBAYASHI
03-5770-8827
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-30-9 モデリアブリュット 101
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130901/13186978/

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