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2020.12.07 夜

フーディーからレストランの仕掛け人へ!@銀座 美会

日本料理

銀座・新橋・有楽町

10000円〜29999円

★★★★★

フーディーからレストランの仕掛け人へ。
このルートで飲食業界に参入する人は少なからずいる。”作る”という研鑽を磨いた料理人とは違う、”食べる”という作業を続けてきた知識やネットワークがそのまま料理の魅力になる。ボニュの来栖さんなど、その代表格であろう。コロナ期間真っ只中にあって、一人のフーディーが銀座で店をオープンさせた。名前は『美会』、その仕掛け人は日本人ではない。

彼はタイ人のPeragate Charoenpanich(ビア)。彼の名前の当て字がそのまま店名の由来。名店で食べ歩きを続けるようなフーディーであれば一度は会ったことがあるかもしれない。日本人顔負けに全国の食べ歩きをしており、質量ともにその辺の日本人グルメなどは相手にならないほど。特に寿司や焼鳥などを含めた日本料理に詳しく、料理人の人脈もまた驚くほど広い。人懐っこい笑顔が魅力で、タイ料理があまり好きではないと笑う姿などはとてもキュート。
一品目から完全な日本料理。富山県産の白海老とアオリイカを重ね、さらにはサンタバーバラの雲丹とイタリア産のキャビアを乗せます。乱暴にキャビアを乗せるのではなく、出汁とキャビアがしっかり相乗効果を生んでおります。国内外の食材が入り混じるのも、いかにも外国人のビアらしい。

続くのは蟹料理。香箱蟹は雌で、松葉蟹は雄だが、それぞれの魅力を重ねて1つの料理を作る。見た目と裏腹にすっきりとした味わいで、素材感を大切にしております。外国人だと大味な方向に向かいそうだが、さすがはビアというところか。

いい意味で”ずらす”ことができるのも彼の特権か。天日干ししたというフカヒレを鼈の出汁に浮かべる。生姜がしっかり効いており、和風の中華料理というようなアウトプットに。ちなみに一緒に添えられているのはサーロインで、これも超絶柔らかく煮込まれます。そうそう、この料理も含めてスプーンで食べるシーンが多いが、これは出汁への自信から。ますますタイ人であるという事実への疑いが深まるばかり。笑

スプーンで食べる料理の最後は鴨と天然木の子を使った逸品。珍しい木の子達が共演し、その中には名残の松茸も含まれる。木の子の出汁がとろみをつけて、口の中で躍動しております。

一応のコースの締めは鮪の漬け丼。もちろんただの鮪丼ではなく、日本最高峰の呼び声高い卸の「やま幸」から。

産地を示す紙は寿司屋でしか見た事がないので、もうこの絵だけで面白い。笑 白トリュフを重ねますが、これもなかなかどうして相性がいい。

さて、”一応の”と付けたのは、締めはこれで終わりではないから。この締めこそ、フーディーのビアの腕の見せ所。アベンジャーズさながらの名店の食事がここに並ぶのです。

焼鳥の名店「鳥しき」の鶏の時雨煮丼、最高峰と呼ばれるとんかつの「成蔵」のカレー、新進気鋭のガストロバックの「カイノヤ」のハヤシライス、熟成鮨で有名な「すし喜邑」の牡蠣カレーなどなど。これだけでも訪問の価値があります。

ミトミえもんも、いち食いしん坊として羨ましい限り。いつか俺もレストランを!!食べ手からレストランの道のお手本を見せてください。これからも応援してます。ご馳走様でした!

銀座 美会
03-3572-5599
東京都中央区銀座7-3-16
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13247033/

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