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2020.07.09 夜

絶品の寿司!大将のオーラと名言にやられた夜。@鮨 一幸

寿司

札幌市

30000円〜49999円

★★★★★

普通の寿司屋と何が違うのだろう、それはきっと大将が放つ”オーラ”だ。札幌が、いや日本が誇る寿司店の『鮨一幸』。押しも押されぬ予約困難店の主である大将が放つ存在感の根源はなんなのだろう。師匠がなく自らの力でのし上がった努力や考え尽くされた寿司への自信なのかもしれません。ただ何より我々に感じさせるオーラの正体はきっと「言葉」だ。いつだってオーラを放つ偉人には言葉が伴う。彼の名言に添って料理をご紹介していきましょう。

「魚は食べられるために生まれてきたわけじゃない」
言われてみればそれはそうだ。だから、彼らの仕事は魚のネガティブな部分を取り除くのが職人の仕事だという。それを実現することで、アマテガレイやトリガイではお目にかからない肝の部分を楽しめてくれる。むしろ肝が食べられることが魚の健全さを示すのだとか。ここに手を加えることで、肝が品の良ささえ感じさせます。トリガイにおいても本当にいい素材には肝に旨味が詰まっているという。
「変わっていかなければ意味がない」
一幸のシャリには唯一無二のユニークネスがある。米酢を使ったシャリで、噛めば噛むほど酸味が口に広がっていく。流行りの赤酢は最初のインパクトが特徴だが、一幸のシャリはそうしたアタックではなく、余韻という名のアフターを大切にした設計。これが段階的な味わいを作り、口の中にストーリーを作り上げるのです。新子などは特に驚いた。締めた酸味とシャリの酸味が段階を追って味わいが知覚されていくのです。これはすごい、、、

また少し話は違うが、変化という意味では江戸前とは違うアプローチも採用している。それが一番印象に残ったネタになったが、「鮎」のお寿司の登場。江戸前では川魚は使わないのですが、これが素晴らしいアウトプット。尻尾つきのシルエットはセンスの塊としか言えません。7月しか楽しめない一品で、このためだけに釣り師と契約しているのだとか。内臓を山葵代わりにした一点の淀みのない鮎のお寿司でございます。

「うまい!で迎えにいく。」
一幸はオーケストラのように順番にこだわる。寿司は、おいしい、おいしい、うまい!の順番で提供される。左脳で感じる美味しさ、右脳で感じるうまい、と言い換えられるかも。緩急といってもいい。

春子鯛、墨烏賊に続いて脂の乗った「鰯」、鮎、新子といって「雲丹鮑」といった感じ。問答無用のうまさでカウンターに座る誰も置いていかないようにしているのです。

この日は追加で「鯵」をいただきましたが、コース外に出たのは新子と役割が重なったから。これも鬼鯵という1週間に数匹しかとれない素材にも関わらずです。
「なんか美味いが一番嬉しい」
大将の目指すところは、言語化できない美味しさ。確かにこのレビューを書いていて自分の語彙力では追いつけていない恥ずかしさがあります。そんなフォローの意味も込めてか、”なんか美味い”が一番嬉しいんですよと言う。言語を超えた一幸の寿司、なんかおいしかったです!
以下、絶品のネタ達まとめ。
つまみ。
「アマテガレイ」身、身と肝、えんがわの3点セット。エンガワの脂の融点の低さには驚き。肝にも品の良さ。

「天然のトリガイ」肝の質の良さが身の強さにも比例しているのだとか。

「きんき」網走の釣り。しゃぶしゃぶで脂落としてるのに!?良質の脂のみが舌を喜ばせます。

「鮑」水貝という鮑の調理法。鮑、積丹の紫雲丹、もずく、蓴菜の組み合わせ。宝石箱。

「くちこ」半生のくちこ。香りゆたかで品のよさがある。

握り。
「春子鯛」

「墨烏賊」

「中トロ」

「大トロ」

「雲丹」美国の馬糞雲丹

「穴子」

「玉子」

「鯵」

「鉄火」「干瓢」

1回目の訪問
「北海道の鮨職人が見ているもの。@鮨 一幸」
https://blog.33inc.jp/2017/05/21/24405/

鮨 一幸
011-200-1144
北海道札幌市中央区南2条西5-31-4 スカレッタビル 2F
https://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010102/1044489/

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