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2018.01.18 夜

関東風でも関西風でもない!唯一無二の鰻がありました。@活鰻の店 つぐみ庵

大塚・巣鴨・駒込・赤羽

10000円〜29999円

★★★★★

予約に電話を1000回!?予約困難店は多くあれど、こんなに電話をしたのは久しぶりです。苦労して予約をいただいたのは駒込の住宅街にある活鰻の店『つぐみ庵』。住宅街に溶け込み、ネットがなければおよそ発見されなかっただろう佇まいです。知名度があがり予約困難になったのもネットのせいなら、そんな店を知ることができたのはネットのおかげ。いろいろ文句いう人もいますが、ネットが生み出すものは結局プラスマイナス0かもしれませんね。

どうしてこれほど予約が難しいのか?最近は会員制や紹介制、それに常連だけの予約が埋められる店も少なくない。しかし、つぐみ庵の予約は全ての人が平等。もちろん料理のレベルの高さが客を呼ぶわけだが、お伺いして初めてその理由がわかりました。なんと、予約時間にお伺いすると客は我々2名のみ!なんと昼に2名、夜に2名しか予約をとっていないのだそう。この理由は料理とともに後ほどご説明させていただきます。

同じく鰻の名店である池袋の「かぶと」のような鰻のコースをイメージしていたが、焼き鳥も楽しませてくれる。そもそも、屋号の由来は野鳥の「つぐみ」を提供していたところから。焼き鳥も得意なわけです。もちろん今では禁猟されているので提供はないが、これを機に始めたのが鰻だったそうだ。それでも鰻を扱って50年というのだからその経験たるや。ちなみに大将は72歳現役です。

最初は焼き鳥から。ふわふわで少しレア感が残る「つくね」、骨を抜いた「手羽先」、ぼんじりと皮の合の子のような「手羽先の先」。

後者は七味ではなく山椒も加えた八味でいただきます。その他「塩辛」や「白子」などのつまみに野菜も提供してくれます。白子は鰻の肝がなかったからと代わりにいただきます。代替品にしては贅沢ですね。笑 

実はここまでで一番びっくりしたのはネギ。あまりの甘さに産地をたずねても普通のネギだという。要は焼き方なんですね。新聞紙に巻いて、かなり時間をかけてじっくり焼いてましたが、これがびっくりするほどの甘さを作っております。

そろそろ鰻の出番です。この鰻の焼き方が唯一無二のユニークなもの。普通の鰻の工程における蒸す前の白焼きの工程がないんです。これを「生蒸し」といって、余計な脂を落とすことができるそう。ただ大きな欠点があるようだ、それは2枚づつしかできないこと。一度白焼きにしたものなら何枚も重ねて蒸せるそうです。なるほど二人予約しかできないはずだ。白焼きにおいては、脂が落ちて素材の繊細な味が味わうことができます。合わされた山椒塩も相性がばっちり。

もう1つの弱点は骨が残るのだそう。それを1本1本抜いていく姿には凄まじい執念を感じます。醤油のタレはあっさりしていて、鰻の風味をばっちり楽しめる。江戸前のふわふわでもなく、関西のかりかりでもなく、食感がありながら柔らかい唯一無二の鰻が完成しています。柔らかさは骨を抜くことで増してもいるのでしょう。ちなみにつぐみ庵は炭焼きではなくガス焼きを採用。これを日本らしい工夫で解決しています。焼く工程ではなくご飯を炊く水の中に忍ばせているんです!

それにしても、親子で骨を抜く後ろ姿にこの鰻が未来へとつながることに嬉しく思います。手羽先でも鰻でも骨を抜いてましたが、ミトミえもんもすっかり骨抜きにされました。笑

活鰻の店 つぐみ庵
03-3823-4591
東京都北区中里1-29-1
https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132301/13080463/

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