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2016.08.14 夜

二度と食べられない!?一期一会の「トゥ・ラ・ジョア」料理。@トゥ・ラ・ジョア

フレンチ

名古屋市

10000円〜29999円

★★★★★

須本シェフは二度と同じ料理は作らない。(厳密には月をまたいで同じ料理を作らない)これが日本有数のレストランである『トゥ・ラ・ジョア (Tout la Joie)』の特徴の1つ。アウトプットの創造性ももちろんだが、その料理工程にとにかく驚きを隠すことができない。

極力自分なりの理解でわかりやすく紹介したいと思うが、もはや頭で理解することは不可能だ。ミトミえもんのような凡人はただ口の中で確かめるしかないのだ。

挨拶代わりの一品目は再現不可能な「カニのカクテル」

カクテルとはベースの酒に様々な飲み物を組み合わせて作る飲料であるが、その他にあたる部分が凄まじい。ベースとなるのは、タラバガニの身と別の蟹でひいた出汁。その他、ゼラチンの代わりとなるフカヒレのゼラチン質、最高級キャビアのスターレッド。さらには燻製香を作るためにいぶりがっこでスモーキーな印象を作っている。

これで終わりではない!器の下に仕掛けがあり、あられでコーティングしたペースト状にしたフォアグラの存在が。フォンドボーと醤油で深みのある味付けを作っている。

上の層で口の中に蟹の香りを作り、口溶けのいいフォアグラと合わさっていく。どうしたことでしょう、口の中でなんと蟹味噌が出来上がっていく。なんと不思議なカクテルなのでしょう!

「サマートリュフの一皿」は2種類のトリュフ料理として提供される。サマートリュフはデミタスカップと丸々一個が各テーブルに。

えっ、丸々一個!?これはシェフの遊び心、実は中はレンコンで外見は竹炭パウダーで作っているそう。トリュフペーストを混ぜることで口の中では本当にトリュフをかじっているようです。笑

デミタスカップのほうからもトリュフの香りが立つ。平目のすり身でムースを作って、トリュフペーストを入れて熱々に蒸しているのだそう。

コンソメの上の大量のサマートリュフが香りの公然の秘密。大は小を兼ねるということか。

スプーンですくう度に表情の変わる八ヶ岳高原のカリフラワーを使った「カリフラワーの冷製スープ」

なんと水を一滴も使わず素材の持つ水分のみで作っているのだとか!とろみについても食材の食物繊維のみ。

自家製のパンチェッッタが塩分を作り、自家製の白トリュフが香りを作り、中心部の大量のマッシュルームで作ったアイスクリームが冷たい食感と甘味を提供してくれる。これがスプーンごとに変化する味、温度、食感、香りの秘密だ。

一転、「和牛の穴子巻」では食感の統一感を重視する。

宮崎牛のモモ肉がとろとろになるまで炊き上げ、醤油、味醂、生姜、にんにくなどで味付け。同じくらいの柔らかさになった伊勢若松の煮穴子で巻くのだが、これがまるで1つの食べ物かのように!上に添えられた雲丹の存在が霞むほど美味。

夏らしい涼しげな器に乗せられるのは「冬瓜の海鮮椀仕立て」

軽く鰹出汁で炊いた冬瓜と、海鮮には鮑、フカヒレ、ブルーオマールのラインナップ。

衝撃的なほどに香りが広がる。もはや香りの正体を言い当てることは嗅覚のいい警察官でも不可能です。

メインは「土佐赤牛の低温ポッシュ」
まわりの筋を全て外して芯だけにしたサーロインが超絶柔らかい!

出汁の中でゆっくり茹でることをポッシュというが58度のコンソメの中で1時間ほどもつけたのだそう。しっとりした食感と美しい色はその結果なのだろう。香り豊かなタスマニア産粒マスタードを赤ワインで煮たものがソースとなります。

1つ嘘をつきました。「Mのサラダ」という唯一の定番料理が存在している。

全国から取り寄せた時々の有機野菜を数時間水につけ、ドレッシングもノンオイルで時間をかけて作っている。
一ヶ月以上熟成したドライフルーツの赤ワイン煮とともにいただきます。

名前の「M」って何か気になりますよね?レストラン自体を「Mのアトリエ」というコンセプトでやっているそうだが、このMがマダムのお父上のイニシャルなのだとか。お父様がドライフルーツを食べながら絵を描いていたことがサラダの由来だ。

最後はご飯ものか麺で締めるのがトゥ・ラ・ジョア流。本日は「みぞれ唐墨冷麺」をいただきます。

自家製の唐墨は塩っぽさがなく、たっぷりな量に比例して香りが抜群。アクセントには山葵と思いきや、鮎の魚醤も混ぜたもの。細かいところまで手をかけてますね。

デザートは「桃のミルフィーユ」
自家製の桃の餡に桃のコンフォートに桃のシャーベットが。なるほど、ミルフィーユとはよく言ったものです!

確実にもう一度伺いたい!と思いつつも「トゥ・ラ・ジョア」は本当に大変。

12月頭に1年分の席を争奪するのだ。わずか一日持たずに予約が埋まってしまうそうだ。予約をいただく我々も大変だが、須本シェフの労力も想像を絶するものがある。電話をかけまくる苦労などそれに比べれば!二度と食べれない料理を必ず食べに参ります。

トゥ・ラ・ジョア
愛知県名古屋市中区正木1-13-27
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230105/23033296/

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