「おいしい」を、
すべての人に。

検索

2016.08.14 昼

「サトシ」料理が東京を席巻する日も近い。@レストラン サトシF

フレンチ

岐阜・大垣・揖斐川

10000円〜29999円

★★★★★

イチローの世界記録に沸いたメジャーリーグ。日本の優秀な選手がアメリカを目指すことを嘆く人もいるが、選手にとって最高峰に挑戦するのは至極当然のことだ。

同じことが料理界でも起こっている。滋賀の名店「しのはら」の東京移転に始まり、名古屋の「くすのき」や神戸の「紀茂登」などの移転の噂も絶えない。そしてもう一人東京にやってくる店がある。岐阜にある『Restaurant Satoshi.F 』だ。若きシェフの名前は古田諭史氏。勘のいい人なら気付くかもしれない。

そうです!お父上は岐阜の名店「開化亭」の創業者であり、いち早く東京は銀座の「フルタ」のシェフその人である。ちなみに、長男は開化亭を継ぎ、次男こそが諭史氏である。

東京移転前にと岐阜の一軒家を訪ねた。暖簾にはオオサンショウウオが描かれる。岐阜に生息する特別天然記念物だ。

地元への自信が伺えます。岐阜での集大成をいただいてみましょう。いきなり開化亭のスペシャリテがサトシ仕様に変わる。父上の料理はビーフンにベルーガキャビアをのせ、太白胡麻油で香りづけをしていたが、同じような材料でもアウトプットがまったく異なる。

ビーフンとともにいただくのは松茸を細く千切りにしたソテー。さらに、松茸からでた水分に太白胡麻油とすだちのソースといただきます。香りはもちろん食感も面白い一品だ。

今度は岐阜の食材を生かす。「ポルチーニ茸と黒トリュフのスープ」

東京でも数店舗におろしていない岐阜の多田さんが作るペルシュウを使用。ここに地鶏を加えてコンソメをひき、ポルチーニ茸の香りをスープに落としている。さらにオーストラリア産の黒トリュフが表面なら、中身はコンソメが深みを作っている。

とうがらしを6年発酵、熟成させたかんずりを使った「チョリソー」

発酵や熟成の力は恐るべし。旨味の塊のような印象で辛さそのものが旨味につながる。対比するような滑らかなジャガイモのソースや生のマッシュルームの香りがアクセントに。

「鮑のメロッソ」いわゆるスペイン風のリゾット。

鮑を蒸した時の水分に米を加えて、ホワイトポートと少量のバターで炊く。

またまた岐阜の食材が登場。郡上市和良町の鮎「和良鮎のスープ」

鮎と水と塩だけでシンプルに作るのも食材への自信と尊敬からか。食材本来の味を楽しませてくれrます。

ここからはメイン。まずは魚。敦賀産の「スズキのソテー」

3日寝かせた結果、全身に脂をまわっていてすこぶる美味い!ニンニクの香りも食欲をそそります。

そして、肉は2種類。1つは「ニュージーランド産の仔羊」

なめこのソースと素材からでるジュースにシェリービネガーやトリュフで香り付け。少々臭みは感じるが紫蘇の香りで解決している。

もう1つは、またまた地元の食材「夏の猪」だ。岐阜県は揖斐川町でとれた猪のバラ肉を二週間漬け込んでオーブンでロースト。

臭みに蓋をするようにセルバチコや七味唐辛子が使われる。なんて思いきや、丁寧に火入れされ柔らかく仕上がった猪の脂の旨味は最高です!

デザートとなるイチジクからは中華のエッセンスが感じられる。

枠にとらわれず、自身が育った岐阜という土地や開化亭の中華のエッセンスを自在に取り込む。イタリアンでも、中華料理でもない「サトシ」の料理が岐阜で完成した。

「サトシ」料理が東京を席巻する日も近い。

Restaurant Satoshi.F
岐阜県岐阜市弥八町5-1
https://tabelog.com/gifu/A2101/A210101/21007932/

エリア

ジャンル

価格帯

評価

月別アーカイブ