プレオープン以来の訪問。中華料理界に旋風を巻き起こす『虎峰』はどんな変化を遂げたのか?特徴はもちろん少量多品種のヌーベルシノワだ。
ドラマ仕立ての展開も変わらない。「桃のピューレ」の酸味からスタートし、味が次々に足されていく。20数種の皿は徐々にクライマックスに向けて進んでいくのだ。
これまでの印象でも1つ新しいジャンルを構築できていた実感はあったが、山本氏はさらに高みを目指して峰を登っていく。伝統的な中華の技法と、彼のオリジナリティーを交互に提案してきたのだ。これがまた面白いのだ。
例えば、「よだれ鶏」
59度で一時間火入れしたという胸肉を使用した低温調理の胸肉。四川らしい辛味は伝統をベースにした一皿。
対して、同じ四川風に仕上げるのは「煮穴子」だ。
辛味が見事に調和し、挑戦的な新しい食事をここに実現している。食感を作るためにズッキーニを追加するなど余念がない。本来の料理が担保されていることで挑戦的なものを簡単に受容できる。これはお見事。
フカヒレでも同じ。伝統的な調理である「フカヒレステーキ」に対して、山本氏の遊び心は「焼きフカヒレ」を提供。
片栗粉をまぶした上に黒酢とXO醤で味付け。もはやあたりめ。これは世界一のあたりめ。
焼きフカヒレだけの提供だと狙いすぎな印象を持つが、こうくると何もいうことはない。少量多品種がなす技。コンセプトが1つ上へ到達したと言わざるをえない。
前回同様「フカヒレの土鍋煮込み」と「フカヒレのリゾット」も食べ比べも健在。
遊んで戻すスタイルはこのときから兆候があったということか。ちなみに、食べる辣油をいれるとこれがうまい。これは新発見。
デザートでも遊びはとまらない。トンカ豆を使用した杏仁豆腐もどきと本物の杏仁豆腐の食べ比べ。
合計30種にも及ぶ料理と進化したコンセプト。虎峰の料理はいろんな意味で止まらない。
その他、メモ。
「冷やしワンタン」海老の餡。トマトのエキスをジュレに。
「白海老」富山県産。中はレア、外は香ばしい。
「焼きとうもろこしのスープ」
「ボタンエビ」三種類のチーズを凍らせた土台の上に、海老とその殻のソースを。
「ピータン豆腐」卵黄はねり胡麻のソースと混ぜる。卵白をジュレに。
「雲丹の紹興酒漬け」
「藁のアイス」
「カリフラワーの塩炒め」海老味噌のソース。塩分の強さは酒には合う。
「甘鯛の鱗揚げ」蒸し器で仕上げることで柔らかい食感を実現。野生のパクチーが強烈。
「鮑」肝ソースつき。山椒の油とともに。
「ヤングコーンのコンソメスープ」金華ハムのみで塩気を調整。
「焼きワンタン」食べる辣油で。
「鮎の春巻き」
「北京ダック」ペアリングのビールが相性抜群。甜麺醤にも負けない。
「フォアグラとマンゴー」
「和牛イチボと峰ブロッコリー」
「酢豚」
「大根餅」こんなにトロトロの大根餅は初見。
「麻婆豆腐」
「坦々麺」
「ヨーグルトアイス」凍らせたヨーグルト。パッションフルーツとマンゴー。
—
虎峰
03-3478-7441
東京都港区六本木3-8-7 PALビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13194122/