2016.06.17 夜 「トントントン…。鳥栄の名物ができる音。」@鳥栄 焼鳥・焼きとん 上野・浅草・日暮里 5000円〜9999円 ★★★★☆ トントントン ヒノノニトン!音楽もののCMって頭に残りますよね。人の記憶は視覚と聴覚が合わさると強いインパクトを残す。これをサウンド効果というのだが、何もCMだけの話ではない。 トントントン…創業1909年という老舗の鶏鍋屋『鳥栄』の厨房から聞こえてくる。この音はあの名物を作る音なのだが、まずは店について紹介していきたい。 木造二階建ての日本家屋は築70年を数え、湯島の歓楽街の情緒を残す。 印象的に囲炉裏が設置され、 真っ赤な備長炭が並べられる。 空調がないため、とにかく暑い!座布団にはマイ団扇が用意させております。もちろん100年前にはエアコンはないのだから、これも演出の1つとさえ感じます。 備長炭の上には鉄鍋。水をはった鍋にさっと味醂を加える。 シンプルなスープで煮るのは、鶏正肉の胸肉、モモ肉、それからモツの脾臓、ハツ、砂肝、肝臓。 すべて生後100日以内の若鶏が使われているそう。 シンプルに煮た肉にシンプルにおろしと醤油で食べる。アクセントをつけるために山椒の準備もあるが、このシンプルさにも時代を感じます。華美な味付けでなく鶏本来の味が口の中に広がっていく。シンプルさを「つまらない」というあなた。肉を食べた後の鍋をよく見てください。アクが一切でてないのです。どれだけ丁寧な下処理が施されているのでしょうか。 おまたせしました。名物「鶏団子」の登場です。見てください、この滑らかなシルエット。つなぎに卵黄を1つ使用しただけ。 お気付きですか?これが冒頭のトントントンの秘密です。鶏を滑らかになるまで叩いていたのです。 スプーンですくって、鍋に投入すればたちまちつくねが完成していく。 ふんわりとジューシーに仕上がっていきます。 最後は鶏スープをご飯にかけていただきます。最後までシンプルに鶏料理を堪能させていただけます。 周辺の日本旅館はラブホテルへと変身して情緒を壊しつつあるが、明治から続く老舗は現在三代目の治世。四代目も店で働き次の時代への準備が整う。トントントン…、鳥栄のこの音をいつまでも絶やさないでください。 — 鳥栄03-3831-5009東京都台東区池之端1-2-1https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13003595/