2016.05.20 昼 「科学され尽くしたラーメン。実験室で写真はご遠慮ください。」@素良 ラーメン・つけめん 赤坂・永田町・溜池 1000円〜2999円 ★★★★★ 隠されるほど見たくなるのが人間の性。「ソラノイロ salt & mushroom」を改装する形でオープンした『素良』開放的なガラス張りの店はナチュラルな木製の壁へと大きく変化。 ラーメンに集中してもらいたい意向から携帯電話の使用は禁止。ネットでなんでも見れる時代にあって、画像が見れないほうがかえって欲が高まるもの。 フォトジェニックなベジソバなどを提供してきた「ソラノイロ」にあってもったいない印象もあるが、かえって宮崎店主の自信をうかがえます。 一方でラーメン作りの秘密は隠そうとしない。科学的にラーメンを因数分解し、その公式は店内で披露されている。 その1つが麺。麺は北海道の地粉超強力粉「ゆめちから」を100パーセント使用。かんすいのバランスが麺のコシや風味、喉越しや粘りを生むわけだが、素良ではナトリウムかん水を38パーセントに調整。 結果として、強力粉らしい粘りが生むコシの強さにパッツリした歯切れの良さ。独特で唯一無二の麺が完成している。後半まで麺がダレないのも計算のうちなのか。ここまでたどり着くにも実験を繰り返したのでしょう。 そして、スープ。スープは鶏ベースの清湯タイプで、あさりや蛤の貝出汁が効いている。動物系がコクを加えているのか深い味わいは断然好み。 具材のこだわりにも頭が下がる。天草大王の低温調理の鶏チャーシューに瀬戸のとろ豚チャーシューの分厚さは贅沢。同じ素材で出汁をとっているのだから相性は語るべくもない。ハマグリも同様だ。 ここまでで既に完成品に近いが、素良の提案は終わらない。バターでソテーされたゴボウやお得意のマッシュルームオイルがうむ味の変化にはサプライズが付いてくる。香りが芳醇でまるでイタリアンのスープのような表情にかわる。 宮崎店主に聞けば、乾燥させたマッシュルームをエシャロットやニンニクなどで作った香味油で揚げてミキサーしているのだとか。仕上げにマッシュルームの粉末を加えてるのだから、素晴らしい香りが鼻に届くのは当然だ。 これは「素」晴らしく「良」いラーメンです。しっかり五感で向き合ってほしいと思うのは当然だ。携帯電話から入手する情報を答え合わせするのではなく、自分の味覚で楽しむことが重要だ。そんな当たり前のことに改めて気づかせてくれたことにも感謝。 — 素良東京都千代田区麹町3-4-3 シエルブルー麹町 101https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13192817/