2016.05.12 夜 「旬」を作るには時間と労力が必要です。@旬熟成 焼肉・肉料理 六本木・麻布・広尾 5000円〜9999円 ★★★★☆ 魚や野菜の旬はわかりやすい。春になれば山菜が並び、秋に松茸、冬に蟹と食材が季節を伝えてくれる。そういえば、牛肉の旬ってあまり聞いたことがない。一般的には冬なんて話も聞きますが、本当のところはどうなんでしょうね。 さて、本日のディナー会場は『旬熟成』。熟成という手段をこうじて、強制的に「旬」を作りあげることに成功したのがこちらだ。巷で流行っているドライエージングとは違い、乾燥に加えて青カビの発酵の力を利用しているそうだ。 肉の前に。ベジファースト、野菜からいただきましょう。「バーニャカウダ」八ヶ岳の野菜を生で、まさに旬そのものを味わいます。 残った野菜は蒸し焼きにされて登場。二度美味しい旬熟成の名物だ。 自慢の熟成肉は群馬県産。黒毛和牛種の赤城牛だ。前菜代わりに「生ハム」「ローストビーフ」「レバーパテ」で登場。 なるほど、肉は軟化し融点にも変化が生まれる。燻製仕立ての生ハムも面白い。 塊肉は技術の完成系であろうが、個人的には「熟成牛100%手ごねハンバーグ」がお気に入り。 あいびき肉を使わないおかげか、熟成香はダイレクトに感じられる一品。無駄な脂がそぎ落とされたはずが、ジューシーさはきっちり保持されている。さらに、別皿でも十分なレベルの牛すじ入りのデミグラスソースがまた絶品なのだ。 熟成肉のグリルは、「極上のサーロイン」「イチボ」「ウチモモ」に豚の「上もも肉」。 それぞれ80日と20日の熟成期間を経る。炭火の香りとともに熟成香がほのかに感じられ、いわゆる熟成肉よりもさらに柔らかい印象だ。 〆となる炭水化物には「原木椎茸と筍のパスタ」。 ここで原木椎茸なんかが登場するところにも熟成肉との共通点を感じます。 味のために時間と労力をかける。それくらいしないと「旬」は生まれないのですね。 — 旬熟成 六本木店050-5869-9159東京都港区六本木5-11-31 1・2Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13147296/