2015.11.04 夜 とんかつではなく、ポークカツレツだ!@ぽん多本家 とんかつ・揚げ物 上野・浅草・日暮里 1000円〜2999円 ★★★★☆ 街のとんかつ屋とは一線を画す。入り口のドアの重厚さは圧迫感と緊張感を生んでいる。上野のとんかつ御三家の名にふさわしい佇まいです。 とんかつ御三家とは、惜しまれながら閉店した『双葉』、大正時代に初めてヒレかつをだした『蓬莱屋』、ここ『ぽん多』である。上野というとんかつ激戦区にあって別格扱いされているのである。創業は明治38年。100年を超える歴史だけがその格を形作っているわけではない。 何を隠そう『ぽん多』の創業者である島田信二郎氏がとんかつの生みの親なのだ。(諸説あり)ただし、ここには「とんかつ」というメニューは存在しない。考案したものは「カツレツ」と呼ばれている。洋食屋の矜持も感じますね。ちなみに、金額もとんかつ屋のそれではない。 「カツレツ」(2700円)単品でこの金額。定食的にいただくならご飯のセット(540円)も必要です。ただ、金額に見合う仕事がなされれば文句はない。 座したのは、入り口すぐのカウンター。外観で感じた重厚さは店内にも共通する。静かな時間が流れ、音はとんかつをたたく音と油に浮く音だけだ。 揚げ上がりが薄いきつね色のカツレツ。待ち時間から推察するに低温でじっくり揚げたのだろう。最後に絶妙なタイミングで高温で仕上げるのがぽん多の伝統だ。 部位はロースだが、脂身を取り除いた芯のみを使用。ほのかなピンク色が美しく、きめ細かさと肉質の良さが視認できます。 しかも取り除いた脂をラードとして使用してるのだから、一体感は最上級です。これだけの肉。やっぱり塩がいいですね。ウスターソースやトマトケチャップではせっかくの衣のサクっと感が失われれる。豚肉の旨味がダイレクトに届きます。口の中の残りがもしつこいものではなく、むしろさっぱりしてます。 油が切りきれてないので、後半は多少べちょっとなる。そんな時にはソースやケチャップが活躍します。段階をおって楽しみ方が膨らんでいきます。 とんかつの横に添えられたホクホクのポテトフライも嬉しい。濃厚な赤味噌もなかなかのもの。 総合的にかなりうまい。米もついお代わりしてしまいます。 対応的なネガティブな噂も聞いたことあったが、そんなことはない。丁寧で好感の持てる接客でした。 とんかつではなくポークカツレツだ! ―ぽん多本家03-3831-2351東京都台東区上野3-23-3https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13003587/