2025.12.09 夜 完成度の高い、ミックスフライ定食。@とんかつ 美濃屋 とんかつ・揚げ物 大塚・巣鴨・駒込・赤羽 1000円〜2999円 ★★★★☆ 北大塚の商店街の途中で暖簾を掲げる『とんかつ 美濃屋』。店の来歴は東十条の「みのや」につながり、そこで三代目として厨房に立っていた料理人が独立し、屋号の音を受け継ぐように「美濃屋」を名乗ったことが出発点。揚げ物の扱い方や定食構成の基礎には、この経歴がそのまま反映されているのだろう。 今回注文したのは「ミックスフライ定食」。構成はエビフライ、タラフライ、カニクリームコロッケの3種。皿の上で整然と並べられ、いずれも揚げたてで届く。 エビフライは細かいパン粉をまとわせつつ、衣にはしっかりと厚みがあるタイプ。噛むとザクッとした音のあとに、海老の身がぷりんと弾む。衣の香ばしさが前に出ながら、後半で海老本来の甘みが追いかけてくる構成で、タルタルの酸味がその輪郭をはっきりさせる。タラフライは醤油で。白身の厚みが均一でふっくら。醤油を軽く垂らすと、衣の香ばしさと白身の柔らかい旨味がくっきり浮き上がる。カニクリームコロッケは丸型で、割ると中からクリームがとろりと流れ、カニの香りが明確に立つ。衣の存在感とクリームの滑らかさが対照的。 そして今回一番のお気に入りになったのが、追加で頼んだ単品の「メンチカツ」。厚みがあり、ナイフを入れた瞬間に中心から一気に湯気と肉汁が噴き出す。噛むと中がほぼ液体かと思うほどジューシーで、肉の粒感より先に旨味の水分が口いっぱいに広がる。その後から粗めの挽き肉の存在感が追いかけてくるイメージ。ミックスフライ3種を食べ終えたあとでも印象が上書きされるほどで、この一品で店の揚げの実力がはっきり見えた。 白米はツヤのある炊き上がりで粒立ちが良い。噛むほどに甘みが出て、揚げ物との相性が良い。 豚汁はキャベツと豚肉を中心とした構成で、味噌の輪郭は穏やか。途中で七味を少し加えると味が締まり、印象が変わる。添えられた千切りキャベツは細めで水分量があり、揚げ物の合間に口のリズムを整えてくれる。 総括すると、この定食は構成している要素のどれを取っても完成度が高い。フライは種類ごとに揚がりが安定していて、白米と豚汁も脇役に回らず、最後まで品質が落ちない。途中で追加したメンチカツも含めて、食べたものすべてが同じレベルで揃っていたのが印象的だった。全体が高水準でまとまっている、安心して選べる一軒。ご馳走様でした。 — とんかつ 美濃屋東京都豊島区北大塚2-6-3 メゾン大塚 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1323/A132302/13237324/