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2025.08.08 夜

福島の夜に漂う、炭火と旨味の余韻@炭焼巧房 源

焼鳥・焼きとん

大阪市

5000円〜9999円

★★★★☆

大阪・福島の路地裏、行灯のように灯る看板が静かに誘う『炭焼巧房 源』。2010年創業、炭火の香りと温かな接客に包まれるこの空間は、居酒屋的な気軽さを持ちながらも、食材の鮮度や産地へのこだわりがしっかりと息づく。九州をはじめ全国各地から届く選りすぐりの素材を、炭火で香り豊かに仕上げるのがこの店の真骨頂だ。

まずは「お通し」から。薬研軟骨の卵とじは、コリコリとふわふわの二重奏。ジャコと胡瓜は、塩気と青い香りが心地よく、万願寺ししとうは素直な苦味で舌を覚醒させる。序盤から酒を誘う三点セットで、今夜の期待値が一気に高まる。

「熊本県くにもとさんの馬刺し三種盛り」はロース、たてがみ、あばらの三種構成。ロースは赤身の澄んだ旨味が広がり、たてがみは脂の甘さでロースを包み込み、あばらはしっかりとした肉感が印象を残す。どれも鮮度抜群で、噛み締めた瞬間の反応が全く違うのが面白い。薬味の生姜やネギも、それぞれの個性を引き立てる存在だ。

串焼きは、この店のもうひとつの看板。「ソリレス」は鶏ももの付け根の希少部位で、濃厚ながらも後味は軽やか。

「せせり」は首肉特有のプリッとした弾力と脂の旨味がたまらない。「砂ズリ」は小気味よい歯ごたえと絶妙な塩加減で、酒が止まらなくなる。

「肝炙り」は表面を香ばしく、中はとろりと半熟のような舌触りで、炭火の力を実感させられる。

そして「自家製つくね」は大ぶりながらも驚くほどふんわりと軽く、脂っこさを感じさせないヘルシーな仕上がり。肉そのものの滋味深さがしっかりと主役を張る。

野菜にも力が入っており、「新れんこんの塩焼き」はその象徴。表面はこんがりと香ばしく、中はホクホク。根菜特有のやさしい甘みが塩によって際立つ。こうしたシンプルな焼き野菜の美味しさは、素材と火入れの確かさの証明でもある。

そして店の名物「かしわのごろ焼き」。皮はパリパリに香ばしく、中は噛むたびに肉汁があふれ出すジューシーさ。玉ねぎの甘みと炭火のスモーキーな香りが一体となり、豪快さと繊細さを同時に楽しめる。鉄板の上で立ち上る湯気すら、ごちそうの一部だ。

締めには「焼きおにぎり」を「鳥スープ」にドボン。こんがりと焼かれた米がスープを吸い込み、香ばしさと鶏の旨味が一体化する。飲んだあとの胃袋と心を同時に癒やす、やさしいフィナーレ。

ここ『源』では、素材の持ち味を最大限に引き出す炭火焼きの技と、肩肘張らない空気感が見事に両立している。九州をはじめとする全国の旨い食材が、福島の夜に香ばしい余韻を残していく。食べ終えて暖簾をくぐる時、その香りがまだ鼻先に残っているのもまた、幸せの証だ。ご馳走様でした。

炭焼巧房 源
06-6345-0722
大阪府大阪市福島区福島7-13-7 福島ビル北館 1F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270108/27049377/

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