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2025.07.06 夜

肩肘張らずに本格派。スペイン郷土料理バル@スペインバル・ジローナ

スペイン料理

目黒・白金・五反田

5000円〜9999円

★★★★☆

西五反田の一角、大崎広小路駅のほど近く。ここにスペイン・カタルーニャの香りを漂わせる一軒『スペインバル・ジローナ』がある。店名はもちろん、バルセロナ北部の美食の街「ジローナ」から。郷土料理を軸に、街場のバルらしい気取らなさをまとった空間は、肩肘張らずに本場の味と向き合える場所だ。

店内に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのが、壁一面にずらりと並んだ黒板メニュー。前菜からタパス、肉や魚の本格料理に至るまで、手書きの文字が放つ温かみと、スペイン語がちらつくその雰囲気に心が躍る。まるで市場のような臨場感と、その日のおすすめを選ぶ楽しさが共存するのも、この店ならではの魅力だ。

まずは「イベリコ豚のおつまみ盛り合わせ」。サラミ、ハモンセラーノ、ハモンイベリコ、そしてリエット。それぞれが独立したキャラクターを持ち、つまむごとに表情が変わる。リエットのねっとりとした舌触りと濃厚なコクは特に印象的で、これだけでグラスが空になる。

「フライドポテト」は、シンプルな料理に見えて、仕上げのセンスが光る一品。細身でサクッと軽く、食感のバランスが絶妙。ほんのり甘いジャガイモの風味が、ひと口ごとにじわじわと満足感をもたらす。

「フライドチキン」は、黒板メニューにも“ひそかな名物”と記された一皿。衣のザクザク感と、スパイスの香り、中のしっとりとした火入れが三位一体。どこか懐かしいフライドチキンを、街角バルならではの流儀でアップデートしたような仕上がり。

「トルティーリャ(スペイン風オムレツ)」は、厚みのあるじゃがいもがぎっしり詰まり、卵の優しさと芋の甘さが口の中で溶け合う。添えられたアイオリソースがまた逸品で、まろやかなガーリックのコクが料理の奥行きを引き上げる。

そして今回もっとも心に残ったのが「真鱈のピルピル」。オイルたっぷり、塩気たっぷり、にんにくの香りも食欲を刺激する。この“しょっぱさ”こそがバル料理の真骨頂。白ワインと合わせれば、舌も心もスペイン旅行に飛び立つ準備が整う。こういう一皿があるから、バルに通いたくなる。

〆の「イカスミのパエリア」は、視覚から食欲を刺激する漆黒のビジュアル。イカスミの濃密な旨味が米にしっかり染み渡り、レモンの酸味がその重さを引き締めてくれる。実はこの一皿、本来はアイオリソースが添えられていないのだが、ふと思い立って「トルティーリャ」のアイオリを拝借。するとこれが、まさかの大正解。旨味とコクが重なり合い、思わぬ化学反応が生まれた。

『スペインバル・ジローナ』は、スペイン郷土料理の王道を踏襲しながらも、ちょっとした遊び心や発想の柔らかさが随所に光るバル。料理一皿一皿に芯があり、でも肩の力は抜けている。この緩急こそがバル文化の魅力であり、ジローナの真髄。五反田で、ジローナの風を感じながら、ワイン片手に旅気分を楽しんでみてはいかがでしょう。ご馳走様でした。

スペインバル・ジローナ
03-3495-0762
東京都品川区西五反田8-2-12
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13011022/

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