2025.06.07 夜 宇都宮で触れる、至極のバー文化と余韻@バー・シャモニー バー 宇都宮・鹿沼 5000円〜9999円 ★★★★☆ 宇都宮・オリオン通りの一角。時代の移ろいを静かに見つめてきた老舗バー『バー・シャモニー』。その歴史は50年以上。若者が行き交う賑やかな商店街へと変貌したこのエリアで、変わらずカウンターを守り続けている一軒だ。店内は撮影NGだが、心に焼きつく体験がここにはある。 まずいただいたのは「クリスタル・ブルー」。チャンピオンカクテルの一つで、ラムをベースに、パッションフルーツやピーチ、グレープフルーツの果実味が重なり合う。鮮やかなブルーに視覚も引き込まれるが、味わいは意外なほどに爽やか。甘さに頼りすぎず、抜け感ある後味で飽きが来ない。 次に「マダム・デュボネ」。リキュール「デュボネ」とライチ、グレナデン、パインジュースを合わせたロングスタイル。華やかさの中に、仄かに残るビターさが印象的で、じわりとくる複雑な余韻を生む。 自家製の「ラフロイグチョコ」は特筆すべき一品。アイラモルト特有の強烈なスモーキーさとヨード香が、チョコにしっかりと封じ込められている。食べた瞬間に「あの臭さ」がふわりと広がり、チョコのビターな甘さと交錯する。ウイスキーとの相性は疑いようもなく、むしろこのために作られたような組み合わせ。 これに合わせるかのように選んだのは、ルー・デュモンによる「マール ド ブルゴーニュ 1978」。熟成感のあるぶどうの香りがゆっくりと立ち上がり、ナッツやドライフルーツを思わせる穏やかな風味が広がっていく。ラフロイグチョコのスモーキーな余韻と交わることで、グラスの中に厚みのある余白が生まれるような印象だった。 過剰な演出や押し付けのサービスはなく、それでも確かに感じるホスピタリティー。チャンピオンの称号にふさわしい技術と、それを包み込む温かい空気感が共存する空間だった。宇都宮で一杯、本格的なバー文化に触れたければ、迷わずこの場所を。ご馳走様でした。 — バー・シャモニー028-636-8760栃木県宇都宮市江野町10-2https://tabelog.com/tochigi/A0901/A090101/9000010/