2025.05.01 昼 今日も、手揉みの一杯を。@麺 みつヰ ラーメン・つけめん 上野・浅草・日暮里 1000円〜2999円 ★★★☆☆ 浅草の路地裏に静かに佇む『麺 みつヰ』。整理券での入店を求められるほど、開店前から人が集まる人気ぶりは、単なる偶然ではない。そこにあるのは、ひとつひとつの工程を丁寧に積み上げてきた、誠実なラーメン作りへの姿勢。店主は、かつて東京・八丁堀の名店「七彩」で修行を積んだという経歴を持つ。七彩といえば、手揉み麺の名手として知られる存在で、その技と哲学が、この小さな一杯にも確かに息づいている。 今回いただいたのは「塩ラーメン」。 中太の手揉み麺に、チャーシュー、メンマ、そして蓮根という珍しい構成。特筆すべきは、やはりそのスープだ。塩とは思えぬほどに味わい深く、淡麗という言葉では語りきれない奥行きがある。魚介や乾物の旨味が幾重にも重なり、輪郭を持った塩味として立ち上がる。軽やかながらも、飲み進めるごとに深みに気づく設計。この塩の複雑さは独特だ。 麺は、前回食べたときの印象と変わらず。しなやかで、芯があり、そして何より手揉みならではの不揃いな縮れが、スープを心地よく引き連れてくる。表面にはつるりとした艶がありながら、噛むとぷつんとした弾力が戻ってくる。 トッピングでは、炙りチャーシューの香ばしさがひときわ際立つ。しっかりと焼きの香りを纏いながら、肉質は柔らかく、スープの中でも存在感を失わない。そして蓮根。ラーメンの具材としては一風変わっているが、独特の食感が加わることで、器全体のテンポを変える面白いアクセントとなっている。 一杯の完成度は高い。しかし、その完成度を声高に主張するわけでもなく、どこまでも自然体。浅草という土地柄にも馴染む、そんな一杯だ。決して派手ではない。だが、確かな技術と構成力のある一杯が、今日も整理券を求める客を引き寄せている。ご馳走様でした。 — 麺 みつヰ東京都台東区寿2-9-15https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13284327/