2025.04.22 夜 一貫ごとに宿る、まっすぐな仕事。@鮨 鈴木 寿司 銀座・新橋・有楽町 30000円〜49999円 ★★★★☆ 銀座の静かな路地に構える『鮨 鈴木』。看板の名はきわめてシンプルだが、中身は実に濃い。派手さや奇抜さを排した、正統派の江戸前寿司。大将・鈴木氏は静岡・浜松市の出身。地元では“鈴木”姓が圧倒的に多い土地柄だが、この鈴木は一味も二味も違う。名門『鮨 青木』で修業を積み、今や自身の名を冠した店を銀座に構える実力派だ。 その握りは奇をてらわず、端正かつ誠実。店主は「プレゼンテーションもSNS映えも苦手で…」と笑うが、寿司そのものが雄弁に語っている。いや、雲丹を掲げた瞬間の表情は、十分に映えているとも言えますが。笑 素材のクオリティは申し分なし。仕入れ先にこだわり、季節を映すネタが並ぶ。産地と旬を見極めた魚は、過度な手数を加えずとも味で語る。そして、それを支えるのが赤酢のシャリ。強すぎず、しかし輪郭のある酸。温度とほどけのバランスも良好で、ネタとシャリが見事な調和を見せる。 コースはつまみから始まり、ゆるやかに握りへと移行する流れ。 「鰹たたき」 「刺身(トリ貝・鯛)」 「蛍烏賊」 「鮑、子持ち槍烏賊」 「太刀魚」 「ナガス(尾の身)」 ここから握りへ。 「烏賊」 「伊佐木」 「金目鯛」 「赤身」 「中トロ」 「小肌」 「鯵」 「赤貝」 「帆立」 「雲丹」 「車海老」 「蛤」 「穴子」 「玉子」 名物ネタで派手に魅せるのではなく、全体を“ちゃんと美味い”で揃えてくる──このスタイルこそが、『鮨 鈴木』の真骨頂。声高に語らずとも、手元の技術と一貫一貫の誠実さが、確かな余韻を残す。寿司職人・鈴木氏の仕事ぶりには、きっと彼自身の人柄が映し出されているのだろう。飾らず、騒がず、ただ真摯に鮨と向き合う。その姿に、心からの拍手を送りたい。 全国に“鈴木”は数あれど、この“鈴木”はここにしかいない。ご馳走様でした。 — 鮨 鈴木03-5537-6868東京都中央区銀座6-5-6 銀座美術館ビル 5Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13299923/