2026.01.20 昼 皆伝を名乗る、行列吉田うどん@麺許皆伝 うどん 富士五湖・忍野・富士吉田 1000円〜2999円 ★★★★☆ 1993年創業、富士吉田のうどん文化を背負う名店『麺許皆伝』。その名は、うどんの奥義を極めた者を自称するかのような造語。「麺」を「許された」「皆伝者」として掲げること自体が、技術と味に対する確かな自負を表している。30年以上の歴史、そして日々の行列が、その言葉に現実の説得力を与えている。 注文したのは「欲ばりうどん」。肉、ちくわ天、ワカメ、キツネ、キャベツと、どんぶりの上にはバリエーション豊かな具材がずらりと並ぶ。注目すべきは出汁の存在感。カツオや昆布をベースに、味噌と醤油を合わせた濃厚なスープが全体を力強く支えている。甘みとコクがはっきりしていて、見た目の透明感を裏切るようなガツンと来る旨味がある。 麺は極太でエッジが立ち、噛みしめるたびに小麦の香りが立ち上る。肉は甘辛く炊かれ、脂の旨味が出汁と混ざり合う。キツネもじゅわっと甘く、噛んだ瞬間に出汁と一体化して膨らむ。ちくわ天は香ばしく、ワカメが塩気と清涼感を与え、そしてキャベツ。シャキッとした食感と自然な甘みが全体の流れを軽やかにしてくれる。濃厚でありながら、バランスが取れているのはこのキャベツの存在が大きい。 「特大かきあげ天」は、皿に単体で提供される円盤型のパリパリ系。インパクトはあるが、ちくわ天との揚げ物かぶりもあり、食べ合わせとしてはやや過剰。単品としての仕上がりは悪くないが、全体の構成を考えると、なくても満足感は損なわれない。 そして「たきこみご飯」。きんぴらが添えられ、見た目にも地に足のついた構成。米にはしっかりと出汁の旨味が染み込んでおり、ごぼうの香り、にんじんの甘さ、そしてかすかな焦げ感が食欲をそそる。副菜というより、うどんに並ぶもうひとつの柱。うどんのコシと出汁の濃さを受け止める、しっかりとした受け皿の役割を果たしてくれる。 吉田うどんという食文化の入口としても、その奥行きを知る再訪の場としてもふさわしい一軒。味噌の利いた濃厚な出汁に、噛むほどに旨みが立つ極太麺。多彩な具材の調和。名乗る名に恥じぬ一杯がここにはある。ご馳走様でした。 — 麺許皆伝0555-23-8806山梨県富士吉田市上吉田東1-4-58https://tabelog.com/yamanashi/A1903/A190301/19000136/