2026.01.13 昼 この料理、パンと出会うために生まれたのか。@ブラッスリー・ヴィロン 丸の内店 パン・サンドイッチ・ハンバーガー 東京・日本橋 3000円〜4999円 ★★★★☆ 東京・丸の内。整然としたオフィス街の並木通りに、ひときわ目を引く赤いファサード。通りに面したガラス越しに、籐の椅子がずらりと並び、白いオーニングには赤字で「VIRON」のロゴ。まるでパリの街角をそのまま運んできたような佇まいに、足が止まる。見た目はオシャレなカフェ、出自はパン屋。だがここをただのブーランジュリーの延長と思うなかれ。『ブラッスリー・ヴィロン 丸の内店』は、バゲットの実力で都内屈指の人気を誇るヴィロンが仕掛けた、“パンを食べさせるためのレストラン”。 パン屋が本気で皿を使い始めたらどうなるか? ランチタイムは11時半スタート。だが人気ゆえ、予約がなければ11時に名簿に名前を書くところから始まる。メニューは選べるメインに看板のバゲット付き。システムだけ見れば普通のランチ。でも、ここは“バゲットのための献立”が組まれている、ユニークなレストランだ。パリの街角を思わせるテラス席なら、アラカルトも、ブーランジュリー併設のパンもつまめる。そこもまたパン中心主義の表れ。 まず出てきた「オニオングラタンスープ」で早くも主従が逆転。とろけるチーズに包まれたバゲットが、スープを吸ってとろっとろ。底のパン、上のチーズ、その間にオニオンの旨味が橋をかける。もはやスープというより、チーズとパンの熱々ラブレター。スプーンを入れるたび、パンの可能性が広がっていく。 そしてこの日のメイン、「鹿児島産豚ロースのロースト 赤ワインソース」。ぶ厚いロースに、しっとりとしたロゼ色の火入れ。豚の脂の甘みがじんわり溢れて、赤ワインソースのコクがそれを受け止める。グラタン・ドフィノワ風のジャガイモにはカリカリのチーズがアクセント。 そしてもちろん、全体を一つにまとめ上げるのがバゲットだ。ソースを拭う、グラタンと合わせる、肉と一緒に噛む。全部が“パンに載せたくなる味”でできている。 料理にパンが“寄り添っている”のではなく、パンに向けて料理が“寄り添っている”ように感じた。そう思わせるような構成が、皿の上にいくつも重なっていた。パン屋が料理をつくるとこうなるのか、という驚きと、納得。これはただのパン付きランチじゃない。パンの旨さを中心に据えて食事を楽しむという、一つの完成されたスタイル。ご馳走様でした。 — ブラッスリー・ヴィロン 丸の内店050-5596-5875東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13020161/