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2025.12.11 昼

静かに効かせる個性が心地いいイタリアン@il PePe

イタリアン・ピザ

大阪市

3000円〜4999円

★★★☆☆

北新地の雑居ビル、その奥にひっそりと潜む小さなカウンター。客席はコンパクトで、店との距離が自然と近くなる造り。そうして迎えてくれたのが、『il PePe』。名前が示す“PePe(胡椒)”のごとく、どの皿にもピリッと個性というアクセントが潜み、控えめながら確かな存在感を放っている。壁に掛けられた黒板には、その日のメニューが簡潔に並び、その日の食材と感覚で組み立てる店であることが伝わってくる。

まずは「小さなミートボールとコンキリエのミネストラ」から。野菜がたっぷり溶け込んだスープは、口当たりがやさしく、ゆっくりと立ち上がる。出汁の輪郭は丸く、寒い季節に自然と体が求める仕立て。根菜由来の土っぽさもほんのり感じられ、そこにミートボールのコクが重なってくる。仕上げにチーズが加わることで、味は一気にイタリアンの表情を帯び、最後に胡椒が全体を引き締める。コンキリエの食感も相まって、静かな一皿の中にきちんとしたリズムが生まれる。

「三元豚肩ロースのロティ」。肩ロースのふくらみある旨味を受け止めるように、ソースにはしっかりとした旨みが乗る。肉の輪郭を太くしつつ、前に出すぎないバランス感覚。そこにルッコラの苦味がピリッと差し込み、味の流れを引き締める。重心は常に肉にありながら、単調にはならない。肉料理として安定感のある一皿だ。

「海老とカリフラワーのクミン風味スパゲッティーニ」は、この店の個性が最も分かりやすい一皿。まず印象に残るのは、海老の存在感の強さだ。甘みと旨味がはっきりしており、皿の軸をしっかりと握っている。その土台の上に、カリフラワーのほどけるような食感が重なり、そこへクミンの香りを静かに差し込む。香りは主張しすぎず、海老の輪郭を邪魔しない。食べ進めるほどに全体の構成が見えてくる。

デザートは「パンナコッタ」。果実の瑞々しさを添え、ミルクのコクは控えめ。口当たりはなめらかだが重さは残らず、コースの流れをきれいに整えてくれる。甘さを引っ張らず、食後に余白をつくる着地としてちょうどいい。

総括すると、『il PePe』は北新地の中で、料理の中にささやかな引っかかりを残す一軒。どの皿も味の流れは穏やかだが、要所にピリッとしたアクセントが仕込まれ、食後にきちんと印象が残る。日替わりで組み立てられる構成も含め、その日の食材と感覚に委ねる姿勢が、店全体の空気を形づくっている。ご馳走様でした。

il PePe
050-5868-3183
大阪府大阪市北区曽根崎新地1-4-7 小西ビル 2F
https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27051831/

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