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2025.10.25 夜

「昭和五十八年」の看板は、物語のはじまり@赤坂中華 わんたん亭

中華料理

赤坂・永田町・溜池

1000円〜2999円

★★★☆☆

赤坂の夜に灯る赤い庇。その文字には「昭和五十八年」と誇らしげに書かれている。だが、実際の開業は令和六年。つまりこの一行は、歴史ではなく物語の演出だ。『赤坂中華 わんたん亭』は、昭和の街中華の空気を現代に創造した店。朝の5時まで営業しているという事実に、どこか昭和の頑張りを感じてしまう。笑

なんでも「175°DENO担担麺」のチームが手がけた新ブランドらしく、ベースにあるのは中華の骨太な技術と現代的な軽やかさ。その象徴が「わんたん麺(背脂煮干し・塩)」。スープは澄んだ黄金色、見た目は端正だが、背脂が小さな輝きとなって表面に浮かぶ。口に含むと煮干しの香りが立ち上がり、背脂が丸みを加え、塩だれが輪郭を作る。

麺は細くてしなやか、歯切れよく、スープをまとわせる控えめな力加減が絶妙。そして、主役の「わんたん」。ちゅるんとした皮が軽やかに舌の上でほどけ、餡はふっくらと優しい。

まさに“雲を呑む”食感。レンゲが深いのも、このわんたんを掬い、卓上調味料で味を変えながら楽しむため。おろし生姜でキレを出し、玉ねぎ甘酢で軽やかに、辣油で香りを立たせる。レンゲの中だけで、一杯が何度も生まれ変わる。これぞワンタン屋の矜持。

そしてサイドメニューの「ネギマヨチャーシュー丼」。マヨの量に一瞬ひるむが、黒胡椒と青ねぎの清涼感が全体をまとめる。途中で辣油や酢を加えれば、重さが旨さに変わる。正直、マヨはやりすぎ気味。でもその過剰さが、背脂煮干しの丼の隣に置くと、なんだかちょうどいい。笑

総括すれば、“新しいのに懐かしい”を地で行く店。昭和を装い、令和の技術で作る。雲を呑むようなわんたんに、少しだけ昭和の夢を見た。ご馳走様でした。

赤坂中華 わんたん亭
050-1784-5457
東京都港区赤坂5-1-3 金松堂ビル 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13293453/

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