2025.10.17 昼 洋食の街・京都、その中心にある一軒@プチレストラン ないとう 洋食 京都市 1000円〜2999円 ★★★★☆ 京都・御所南。町家の記憶とモダンな空気が交錯するこのエリアに、変わらぬ“洋食の灯”をともし続ける名店がある。『プチレストラン ないとう』。創業は2001年のこと。そして2019年12月、現在の麩屋町通押小路上ルの地へと移転を果たした。時を経てもなお、京都の洋食を語る上で欠かせぬ存在であることに変わりはない。 前回訪問時も書いたが、京都という街は洋食が異常にうまい。和食の街と油断してはいけない。肉もカレーも、そしてとんかつも、粒ぞろい。ここ『ないとう』も例外ではなく、いや、むしろその中心にいる一軒だ。前回いただいた「スペシャルランチ」は、ヒレカツ、和牛ハンバーグ、カニクリームコロッケという“大人のお子様ランチ”構成で、すべてが主役級の完成度。ひと口食べるたびに、京都の洋食の底力を思い知らされた。 そして今回は、原点ともいえる「とんかつ」。この店の魂が宿る皿だ。サクサクと軽やかな衣、ふわりと香る油の清らかさ、そして中心に潜む肉の甘み。外は香ばしく、中は驚くほど柔らかい。衣の中で蒸し焼きのように仕上がった豚肉の火入れは、職人技そのもの。脂の旨味が舌の上でとろけ、瞬間的に米を呼び込む。 そして“全部うまい”のが『ないとう』の真骨頂だ。自家製の「ドレッシング」は酸味とコクのバランスが秀逸で、添えられた「サラダ」のシャキシャキ感を際立たせる。緑の濃い葉物に、キュウリ、トマトが彩りを添える。主役を支える脇役が、どれも隙がない。ご飯も白く輝き、粒立ちが見事。ふっくら炊かれた米が衣の油をやさしく包み込み、甘みでフィニッシュを整える。味噌汁も例外ではなく、出汁の旨味が深く、食後の余韻をじんわりと残す。 京都の洋食はもはや文化である。『ないとう』はその中で、日常と非日常のちょうど真ん中に立つ存在。前回の“全部美味しい”という言葉は、今も変わらない。いや、むしろ今の店で食べると、あの言葉の意味がさらに深く染みてくる。移転しても、やっぱりここが好きだ。ご馳走様でした。 — プチレストラン ないとう075-211-3900京都府京都市中京区尾張町217 サンロータス池治 1Fhttps://tabelog.com/kyoto/A2601/A260202/26033759/