2025.09.13 昼 完全予約制が約束する、非日常のラーメン時間@RAMEN MATSUI ラーメン・つけめん 新宿・代々木・大久保 1000円〜2999円 ★★★★☆ 東京・四谷、新宿御苑にもほど近い落ち着いたエリアに暖簾を掲げる『RAMEN MATSUI』。創業は2023年5月。名店「柴崎亭」で研鑽を積んだ松井店主と、ソムリエ資格を持つ奥様が二人三脚で営む。夫婦の感性が重なり合い、ラーメンを一皿の料理として昇華させている。しかも完全予約制。ラーメン屋でありながらレストランのような特別感があり、この希少性も人気の理由のひとつだろう。 看板は「特製醤油」。丹波黒鶏や親鳥の骨格的な旨味をベースに、しじみと羅臼昆布が澄んだミネラル感を添える。 立ち上がる香りから気品があり、一口目は鶏の厚みのある旨味、その後にしじみの清らかな余韻が続く。純米酒が全体をやわらかくまとめ、透明感と奥行きを兼ね備えたスープはレンゲを止めさせない。 合わせる麺は低加水のストレート細麺。しなやかさと歯切れを両立し、スープを纏って軽やかに喉を駆け抜ける。具材も秀逸。低温調理の鴨ロースは赤身を残した肉に香ばしい焼き目が入り、弾力と脂の甘みが共存。豚チャーシューは舌に吸い付くような質感で、丼全体を支える存在だ。 もう一つの楽しみ、「鴨ロースめし」。濃厚なタレと山わさびが鴨肉に絡み、熱々のご飯の上で脂がとろける。鋭さとまろやかさが交錯し、思わず箸が止まらない。ラーメンの余韻に寄り添いながら、ワインとの相性を想像させる完成度だ。 松井店主の背景には、修行で培った基礎力があり、そこに妻のソムリエ的感性が加わり、酒や盛り付け、全体の演出にまで神経が行き届く。こうして生まれるのは「ラーメン」というジャンルを超えたレストランの世界。訪れる理由は明快だ。予約をしてでも体験すべき、洗練された一杯がここにはある。日常の延長にあるラーメンではなく、わざわざ時間を合わせて向かうに値するラーメンだ。ご馳走様でした。 — RAMEN MATSUI東京都新宿区四谷4-25-10 ダイアパレス御苑前 B-2https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130402/13285098/