2025.05.23 夜 銀座の食文化に刻まれるべき一貫。@鮨 一幸 寿司 銀座・新橋・有楽町 50000円〜 ★★★★★ 銀座の夜に、蝦蛄が鳴く──。 2024年8月、札幌の名店『鮨 一幸』が満を持して銀座へ進出。まもなく1年を迎えるが、まだ季節でターンが回ってきてなかったのがスペシャリテの「蝦蛄」である。 この蝦蛄、ただものではない。北海道の子持ち蝦蛄を、そのまま東京へ。だが、通常の流通とは違う。実現のため、工藤氏は毎週定休日に北海道へ戻り、選別・仕込みに勤しんだという。しかも、卵の量が十分でなければ即アウト。提供できるのは仕入れの半数にも満たないそうだ。そのこだわりが、生み出すのは“半熟卵”状態の蝦蛄の卵──もはやソース。もっちりとした身と絡み合えば、まさに蝦蛄の中にもう一貫隠れていたかのような重層的な味わい。 その他のラインナップはこちら。 まずはつまみ。 「鯛」遠藤商店より 「トリガイ」肝付きで 「きんき」しゃぶしゃぶ仕立て 「子持ち槍烏賊」雲丹とともに ここから握り。 「春子鯛」 「細魚」 「鰆」 「赤身」 「トロ」 「雲丹」 「のどぐろ小丼」 「小肌」 「穴子」 「玉子」 「巻物」 今宵、銀座の夜に響いたのは、蝦蛄のささやき。その美しさと熱量に、心を奪われずにはいられなかった。毎週北海道へ通い、己の手で選び抜いた蝦蛄にしか表現できない「一貫」の深み。工藤氏の覚悟と技術、そして季節の一瞬を掴もうとする執念が、口の中で豊かに花開いた。握りの極致を突き詰めたこの一皿は、ただのスペシャリテではない。もはや『鮨 一幸』の思想そのものであり、銀座の食文化に刻まれるべき一瞬だ。 ご馳走様でした。 — 鮨 一幸東京都中央区銀座5-11-12 日総第26ビル 3Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13300481/