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2024.04.21 昼

京懐石の本質。@京懐石 吉泉

日本料理

京都市

10000円〜29999円

★★★★☆

京都の下鴨神社境内に広がる糺の森と寄り添うような料理店『京懐石 吉泉』を訪ねます。

70歳を超えた今も現役で板場に立つ、大将の谷河吉巳氏の話から始めてまいりましょう。15歳から料理の世界に入り、1983年にホテルの一角で開業し、2年後に下鴨の地に店を誕生させている。テナントなどではなく、一軒家の料理店を一から作り上げたことに胸を張ります。しかも、総額6億5千万円もかけたというから驚きます。

器など文化や歴史にも造詣が深く、その知識を持っていまの料理界へ強い警鐘を投げかけます。個人的には多様化していく価値観の全てにリスペクトを持って接したいが、同業他社の表層的な物事に理解に我慢がならないのでしょう。例えば、希少価値の高い器ばかりに料理を並べることに疑問を感じており、コース全体の緩急やリズムをいかに重要視しているかが伝わります。また、昨今のグルメバブルへの疑問もお持ちで、その姿勢からはお客様への誠実な向き合い方が伝わります。

それでは、そんな哲学が織り成す料理達をご覧にいれましょう。

「薔薇のシャーベットと小豆島の炭酸水」

「先付」6種類の先付。まるでおせち料理のように1つ1つに丁寧な仕事が伺えます。

「汁物」玉ねぎと丹波牛乳のすり流し。ヴィシソワーズ的なアウトプット。

「椀物」御椀はかなり旨味の強い出汁。桜海老の真薯とどんこ椎茸。

「向付」雲海に浮かぶように盛り付け。海外のお客様も多いようで、そのあたりを意識した演出なのでしょう。脂たっぷりの大トロ。

「向付」淡路の鯛と剣先烏賊。いろんな野菜を薬味的に使っていて面白い。

「寿司」ネギトロ。青ネギは大胆にカットされて味わいが前に出ております。

「蒸物」鰻と卵の蒸し寿司。

「焚物」塚原の筍を木の芽とともに。

「焼物」琵琶湖の稚鮎。お茶の葉で燻した香り高いもの。蓼酢に酸の強いジュレを重ねます。

「食事」主役は漬物。これだけの種類の漬物といただく食事は面白いですね。

「水物」パイナップルの流しもの。

「菓子」百合根金時。

美味しくいただくとともに、勉強になりました。ご馳走様です。

京懐石 吉泉
050-5872-9318
京都府京都市左京区下鴨森本町5
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260302/26001047/

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