名古屋にあるイタリアン『ラ ヴィオレッタ』を訪ねます。
レストランは、高級住宅街として知られる白壁エリアにございます。名古屋随一のお嬢様学校として有名な金城学院も近くにあるなど、その上品な空気感に似合うイタリアンになっております。
屋号はイタリア語でスミレのことで、小さな幸せという意味の花言葉を持つ。そんな謙虚な姿勢が優しい空気感を作るのか、どこかゆったりと時間が流れているような印象です。
メニューにて地名や生産者を積極的に紹介するなど、地産地消へのこだわりが強いようだ。聞けば、愛知・静岡・岐阜・三重の4県の食材に限定しているのだとか!地産地消的なアプローチは、自家製というかたちでも表現されます。パスタ、カラスミ、フォカッチャ、多くの自家製の料理が提供されるが、それが決まって美味しいというのが良い。特にパスタなどは種類も豊富であり、シェフの引き出しの多さも同時に伝わってまいります。
敢えて、メニューそのままにご紹介してまいりましょう。
「桑名 白魚、吉良町 加藤農園さんフルーツトマト特選きわめ」
冷製カッペリーニに、縞鯵、トマト、白魚のフリットを重ねて。トマトの上品な甘さが主役。白魚の油と縞鯵の脂が味わいに膨らみを持たせます。
「自家製フォカッチャ」
これは素晴らしい。ふわふわと柔らかく、塩気が食欲をそそります。揚げ焼きしたような油の風味が特に美味。
「師崎 釣り 天然寒鮃(5.8kg)」
カルパッチョ。熟成したようなねっとりとした旨味。自家製のカラスミを削りにスライスにと2つの表情を見せてくれます。味のアクセントは炭焼きしたえんがわが、食感のアクセントをシャキシャキしたホワイトアスパラが。
「三河湾 地蛤」
聖護院大根のピュレが寄り添うように優しく蛤を支えます。しっかりした食感の持ち主の蛤は、咀嚼のたびに旨味を舌に残していきます。味の強さを作るコンソメは、メインの和牛でとったとか。
「形原港 大王丸 釣り 赤むつ」
赤むつって愛知でも取れるのですね、知らなかった。炭火焼きの香ばしい香と強い脂が絶品。スープ仕立てのソースからほのかに香る新筍が優しく赤むつをコーティングしております。
「キターラ 伊良湖沖 天然赤座海老」
イタリア語でギターの意味を持つパスタ。太打ちで食感も風味もある存在感の強いパスタだが、これが甲殻類の旨味を備えた濃厚なソースと相性がいい。
「タリオリーニ 豊浜 黒鮑」
この日のクライマックス。手間暇も半端なものではなく、7時間も火入れをした丁寧に旨味を取り出したそうだ。ソースは肝や桜海老のパウダーでねっとりとコーティングしており、その旨味の恩恵をばっちりと受けております。
「新城市 久保田さんの黒毛和牛 源氏和牛(鳳来牛)牡フィレ肉」
じっくりと火入れをしたステーキ。旨味もまたじっくりと口の中で拡散していきます。
「作手高原いちご 寒熟」
プリンと黒トリュフのジェラートを添えて。
愛知を全力で体験できるイタリアン。小さな幸せと言わず、大きな幸せをいただきました。ご馳走様です。
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ラ ヴィオレッタ
050-5592-7324
愛知県名古屋市東区白壁4-63-3
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230110/23060503/