2023.07.16 夜 2つの才能、博多中洲に芽吹く。@中洲 松 日本料理 福岡市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 2022年7月、博多の繁華街である中洲に創業した日本料理店『中洲 松』。ちょうど1周年を迎えた日本料理店は、2つの才能が重なりあってできている。 1つは、オーナーを務めるソムリエの松永新一朗氏。名古屋の名店「レミニセンス (Reminiscence)」のソムリエを務めた男。目利きの良さばかりでなく魅力的な値付けも、確かな仕入れのルートがある証拠。今回は1周年の当日だったので、お祝いにとワインをボトルをお願いしましたが、その対応にワインとお客様への誠実さが伝わります。ローヌ最高のワインと称されるラヤスを頼んだのだが、松永さんからは敢えてセカンドの提案。売上よりもワインの状態を優先して提案できるスタンスには、同じ飲食人として頭が下がります。しかも、これが日本料理と抜群の相性なのだ。フレンチを和食に変えても、ワインのペアリング能力は衰えないようだ。 1つは、料理長を務める青木卓巳氏。大阪で名店として名高い本湖月で修行し、その実力で九州の豊かな食材たちを料理する。本湖月の大将である穴見さんといえば、料理ばかりでなく器や文化などにも造詣が深いことで有名だが、しっかりとこれも受け継ぎます。ワンオペで8人ものカウンターを切り盛りする段取り力にも感心するばかり。料理については味付けの程度のおかげか軽さが際立ち、食べれば食べるほどお腹が空いてくる。特に真昆布でとった出汁については旨味が強く、わかりやすい満足感が作ることできているのでしょう。普通に美味い。 さて、2つの才能が織りなすコースをご覧ください。 「とうもろこしのすり流し」焼いたものを重ねることで、清涼感ばかりではなく香ばしさが厚みを作ります。 「渡り蟹の笹寿司」酸味が穏やかで美味。 「お椀」鱧。真昆布の強い甘味と鰹節の華やかな香りを感じさせる出汁。かなり好み。 「お造」鰹、アコウダイ、おかひじき 「焼物」伊佐木の塩焼き 「煮物」茄子と万願寺唐辛子の揚げ浸し。生姜の風味が食欲をそそります。 「揚物」鮑の天麩羅を肝だれとともに。新銀杏の味の強さにも驚き。 「素麺」漢方の原料として親しまれる熊笹を使った佐賀県の素麺。冷汁テイストでいただく、九州ばかりで作られた逸品。 「炊合せ」イチボと冬瓜。 「食事」全体的にポジティブな軽さがある印象なので最後の食事で調整。しらす、 鱧の佃煮、 鰹茶漬け。 「菓子」わらび餅のぜんざい。 — 中洲 松050-5589-4967福岡県福岡市博多区中洲5-4-6 リバーフェイス博多 2FChttps://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40061221/