
時が経つのは早いもの、京味出身の新店としてデビューした『味享』も開業から早1年半。そして、その京味のご主人である西健一郎氏が逝去されてから一年が経ちます。だが、愛弟子の料理や設えにそんな故人の存在が感じられるのが何よりも嬉しい。師匠と弟子って素敵だなと純粋に思います。例えば、形見分けにともらった器達、先付の料理が映えるんですと語る対象の嬉しそうなこと。
料理には京味の名物である芋茎の吉野煮、お椀がメインと語った西さんの教え通りのコース設計、西さんの師匠であり父の西音松氏の哲学、そして師匠が愛したまかないの料理など、言い出せばきりがないほど。継承されているのは料理のみならず、故人はこうして生き続けるのですね。シンプルに感動しました。。。
料理のラインナップはこちら。
「青梅の蜜煮」夏らしいさっぱりした一品。青梅にアルコールを飛ばした梅酒を合わせます。

「先付」左は白板昆布で白烏賊と雲丹を巻いたもの。真ん中は鰈の寿司に二十日大根を重ねたもの。大根が魚の肌用ですね。酢飯には木の芽の味わいを含ませます。右は黒胡麻を効かせたいんげんのお浸し。どんこ椎茸が脇を固めます。



「莫大海」中国原産の乾燥果実。鶉に見立てて、鶉莫大海なんて呼ぶそうです。水で戻して素揚げして炊く、そこに土佐酢の煮凝りを足すなどして、味のないものに価値を作るそう。師匠の西氏のお父様の料理だそうで、料理とはなんたるかを教えてくれるようです。


「明石の鯛と藍島の雲丹」実弟が福岡で日本料理を始めたそうで、そのルートから九州の食材が手に入るようになったのだとか。西さんの話もそうだが、縁が料理を作っていくのですね。

「鱧しゃぶ椀」京味ではお椀は”メイン”であると後半に出てきますが、味享でも例外ではない。だから、京味系のお椀は出汁の味が強い。今回はさらに、鱧と松茸と香りが前回。香りが口の容量をこえて全て鼻から抜けていきます。メインディッシュにふさわしい一品。

「太刀魚と独活の金平」竹岡産の太刀魚と合わせるのは蓼酢!鮎は食べ飽きてると思うので、と茶目っけを見せます。4日寝かしたという太刀魚は全体に脂がまわり、しっとりと旨味がとけていきます。ちなみに、蓼酢と鮎以外の魚との組み合わせは、西さんがまかないなどで積極的に食べていたのだとか。西さんが食べていたというだけ美味しく感じるのだから、やはり料理界の神様の一人なんですね。

「石川芋煮と管牛蒡と鱧」炊き合わせの一品。鱧は肝から浮き袋などを1つに。なんてサステナブルな食材なのでしょう!

「食事」一膳目は近江牛のヒレカツ、二膳目は鮪丼。京味系に肉料理のイメージはないが、これも西さんが好んだ肉なのだとか。

それぞれ二膳ずつ頂いたので本当は四膳なのは秘密です。美味すぎる!

「わらび餅」これを作る音って聞いたことあります?夏の暑い日に頭が下がります。笑

1回目の訪問
「受け継がれる名店の「味」@味享」
https://blog.33inc.jp/2019/02/05/19788/
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味享
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