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2020.07.13 夜

工夫して心くだる思いには、花鳥風月みな料理なり。@京都 吉兆 嵐山本店

日本料理

京都市

50000円〜

★★★★★

「工夫して心くだる思いには、花鳥風月みな料理なり」日本の料亭を代表するブランドの1つ「吉兆」、この創業者である湯木貞一氏の言葉。心を込めた工夫は全てが料理になるという意味で、その哲学は息子達や娘婿達によって確実に受け継がれております。今回はその1つ、京都を代表する料亭『嵐山吉兆』をご紹介。湯木氏から数えて三代目にあたる徳岡邦夫氏がご主人を務めます。風光明媚な嵐山の四季、手入れの行き届いた庭、調度品や器など、その全てが”料理”として我々を楽しませてくれます。

もちろん四季は料理の中にも当たり前のように組み込まれます。それを象徴するように八寸では、今回はお盆の灯籠が!しかも、これが桂剥きした大根から驚き。四季を伝えるとともに、技術とセンスも感じさせてくれます。

吉兆に”NO”はない???
どんなお客様の要望にも応えるおもてなしも魅力の1つ。格式高い料亭にあっても、我々に寄り添ってくれるのが魅力。それを象徴するようなエピソードを1つ。鱧のお椀をいただいた後、「出汁」の加減について質問を受けます。日本料理で最重要といってもいい”出汁”だが、その濃淡をヒヤリングの上で決めているのだとか。

今回しっかりめに引いた出汁は、我々関東の人間にぴったりピントがあっておりましたが、濃い薄いの意向で以降の料理の味を変えてくるのです。こんなホスピタリティーは滅多に出会えるものではありません。また、来店した顧客の嗜好性や利き手など情報は全てデータ化しているそう。通えば通うほど居心地よくなっていくというわけか。
最高は更なる最高を求める。
初代が作り上げ、二代目が安定させてものを、三代目がさらに高みを目指す。最高の評価を受けてなお最高を求め続けるのが吉兆の凄さの1つ。だからこそ、創業から1世紀近い時を過ごしてもなお料理は発展的で挑戦的。そんな印象的な料理をご紹介していきましょう。
「つぶ貝と伊勢海老」向付。焼き石で自分好みに仕上げられる演出付き。キャビアで塩気を昆布醤油に旨味を追加する調味料にもユニークネスがあります。

「鱧椀」由良産の最高級の鱧。前述の通りしっかりめ出汁で物差しの役割を果たします。「造里」アマテガレイ。やはり調味料に面白さがあり、自身の肝に加えて、割り醤油、酢橘醤油、素揚げ昆布を。

「寿司」境港産の鮪の薄造り。米酢をばっちり効かせた握り。

「雲丹」ご主人の徳岡氏自らお部屋で調理。昆布出汁の中でまるで温泉玉子のようなアウトプットを作り上げます。挑戦的な現在の吉兆にあって象徴的な逸品です。

「鮎」焼き具合や塩加減はもちろんだが、蓼酢のクオリティーに注目。大量の蓼を使った粘度の高いもので、モルトビネガーによる独特な旨味が加わっております。

「焼き野菜」箸休め。水茄子、オクラ、ズッキーニ、万願寺唐辛子。削りたての鰹節の風味が抜群!

「鰻ざく」これは絶品。関東風の蒸した柔らかい食感で、内側からの旨味と外側からの酸味ががっちり握手!

「鮑御飯」食事は鮑を小さく揚げたものと胡瓜の組み合わせ。出汁の染み込んだ御飯、鮑の旨味と揚げ油の風味。御飯が進む理由が見当たりません。笑

「果物」

「菓子」

京都 吉兆 嵐山本店
075-881-1101
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町58
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260403/26001312/

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